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ニセ科学ツアー_血液型性格判断

 私の実感で言うと,世の中にある情報にどの順番で触れて行くかは,その人の考えを左右する重要なファクターだと思います。
 内容を完全に理解し,判断できる人は,新しい情報に触れる度に現在の考え方を柔軟に変更するので,どんな順番で学ぼうが,最終的には同じ結論にたどり着く事が出来るでしょう。
 でも,普通の人は,一つの情報を仕入れ,考え方を持った時点で,次の情報に触れる際に,それをフィルターとして使用してしまいます。「先入観」と言うヤツですね。私も,もし最初にニセ科学に接触していたらと思うと,ちょっと怖いです。
 ニセ科学の情報に触れる際には,まず最初に,科学の基本知識に則った考え方のツールを手に入れた上で,それをアンカーにして眺めて行くのが良いと思います。

 と言う事で,「ニセ科学ツアー」として,こういう順番で見ていくと理解しやすい,と言うのを挙げていってみようと思います。
 今回は「血液型性格判断」について。

<初級編>
 まず,血液型と性格の関係について,科学的にはどのような説明がされているかを見て行きましょう。と言っても,科学的な調査について分かりやすく解説された資料と言うのは,それほどありません。あくまで科学の目で見た場合には,血液型と性格の関連と言うものは,メジャーな研究対象ではないのです(かなり早いうちに否定されてしまったと言うのが大きい)。
 
1.血液型性格関連説の歴史と見解
 非常にざっくりとではありますが研究の経緯と結果(判断)が書かれています。
2.究極の血液型心理検査
 なぜ,血液型性格判断は当たったような気がするのか,についてまとめられています。占いが当たったような気がするのも,同じ原理を含んでいますね(占いはそれだけではありませんが)。

 これらを見た,私の感想。
・ああ,科学的にはかなり早いうちに,否定されてしまっているんだなあ。
・ああ,当たっているような気がするから関係があると思ってしまいがちだけれど,それは別の理由でも説明できる事なんだなあ。

<中級編>
 次に,ニセ科学批判者の主張を見ていきます。グーグルで検索してみても,いろいろな方が,いろいろな視点から批判している事が分かります。
1.血液型性格判断をやめよう
 広島修道大学人文学部準教授中西 大輔さんの記事。
2.遺伝学からみた血液型性格判断
 NATROMさんの「進化論と想像論」の中にあるページ。
3.血液型性格判断 を疑ってみよう!
 立命館大学文学部心理学科サトウタツヤさんの記事。
4.本当は怖い血液型性格判断
 小飼 弾さんの記事。

 これらを見た私の感想
・批判では,科学的な研究の歴史と結果が踏まえられているんだなあ。
・一つの判断ではなくて,いろいろな角度から見ても,関係があるとは言えないんだなあ。
・ただ単に科学的に証明されていないだけではなくて,差別やいじめに結びつきかねない問題を孕んでいるんだなあ。

<上級編>
 インターネット上には,ニセ科学側の人たちと,ニセ科学批判者とが繰り広げた様々な論争が転がっています。相互に発言するので,ちょっと長いですが(^-^;
 批判者の意見に対して,ニセ科学側の人たちが再反論を試みるのですが,反論が反論になっていない事が読み取れるでしょうか。問いかけに対し,真正面から答える事はほとんどありません。たまに合意が取れたように見えても,後から簡単に反古にされます。
 もっと単純に,どちらの言っていることが分かりやすいか,どちらの内容が一貫しているか,と言う所でも,ある程度判断がつくと思います。
1.ABOFANへの手紙
 帯広畜産大学大学教育センターの渡邊教授と,血液型と性格の関係に肯定的なABOFANさんとの間で,メールで行われた議論です。
2.血液型と性格(かなり重いです)
 kikulogのエントリのコメント欄で繰り広げられた議論。1000コメントくらいまで行っては新たに続きのエントリが起こされ,と言った感じで,結局2500コメントくらいのやり取りが続きました。何度も何度も何度も何度も同じ話が繰り返され,ちっとも議論が進まないので途中からかなり殺伐としていますw
3.ABO FANさん用
 TAKESANさんの管理する掲示板での議論。こちらも1000コメント近くまで行って,未だに継続中(2009年01月31日現在)。

 これらを見た私の感想。
・うーん,いろいろな統計やグラフを駆使しても,使い道を誤ると,全く意味のないものになるんだなあ。
・そもそも立証もされていない主張なのに,「否定をするなら証拠を見せろ」だなんて,そんな事言い出したら荒唐無稽な事ほど言ったもん勝ちじゃん。
・というか,なんで自分の主張なのにきちんとまとめる事が出来ないの?
・心理学そのものを否定しようとしているけど,血液型と性格については心理学で立証しようとしている・・・いったいどっちなの?
・もしかして,主張を明確にすると完全に否定されちゃう事が,本人も分かってるんじゃ・・・

<究極編>
 さて,ここまでこなしたら,いよいよニセ科学側の人が作ったページを覗いてみましょう。上級編で出てきた様々な議論の論点が,きちんと明確に書かれているかチェックしながら読み進めると良いでしょう。
 そしてもう一つ。もしいきなりこのページを見たら,どれほどその内容を信じてしまいそうか。想像しながら読んでみましょう。
1.ABOFAN
 ABOFANさんが運営しているホームページ。
2.血液型 性格 相性 判断 アタリマッセ
 内容はほとんど占いの延長線上?でも科学をうたっています。
3.血液型性格診断
 「科学論」と書いてあるのですが・・・それって,遺伝型のところだけじゃん!

 これらを見た私の感想
・ABOFANさんのページは・・・これをいきなり見たら,かなり信じちゃうかも。どうも私は,グラフの線が傾いているのを見ただけで,信じちゃうのかなあ。ちゃんと内容まで理解しようとしなくちゃ。
・他のページは・・・えーと・・・全然科学じゃないよ!なんで「科学」って書いちゃうの?これなら大丈夫かも。でも,これでも信じちゃう人っているんだよねえ。
・差別に繋がる意識って,やっぱり持たずにやってるんだなあ・・・てか,私もいろいろ調べる前は,意識してなかったよなあ。反省。

 えーと,以上ですね。今回改めて,ニセ科学側の人たちのコンテンツも調べ直しました(今までは深入りするのが怖いので,沢山は見ていませんでした)。
 本気で科学的にうんぬん,と考えてやっていらっしゃるのはABOFANさんだけで,他のページはおしなべて「あー,あるある,当たってるぅ♪」って言うのが先に来ているだけのものですね。見に来る人も「あー,あるある,当たってるぅ♪」なので,それで成り立ってしまうんですが,それならやっぱり「科学です」なんて言わずに占いとしてやるべきだし,占いとしてやるんでも,差別についての危険性は意識しておきたいところ(自分も反省)。

 ABOFANさんは・・・んー,ご本人は真剣にやっていらっしゃると思うんです。ただ,科学のツールって,独学で勉強しても,プロと張り合えるくらいまで使いこなすって言うのは,まず無理だと思うんですよね。
 だからやっぱり,統計にしても,心理学にしても,プロの指導の下できちんと勉強し直して,なおかつ実地での訓練を重ねるのが必要なんじゃないかと思います。
 少なくともいろいろな場所で,それぞれ違う人から,同じ指摘を受け続けている事について,その理由を考えた方がいいんじゃないかなあ。
 でももう,引き返せないのかも(^-^; ある種の信仰に近いものを感じますね。

 占いって,おみくじに近い感覚があると思うんです(少なくとも私はそうです)。良い事が書かれていれば気持ちいい。悪い事が書かれていても,福引きで外れてしまったような悔しさはあるけれど,別に実害は無いし。
 こうしたちょっとした事で気分良く過ごせたり,気分転換になるなら,別に悪い事ではないですよね。
 でも,一生変わらない血液型と(運勢ではなく)個人の性格を結びつけるのって,自分の性格を変えられない,嫌な奴は一生嫌な奴だ,なんて言う決めつけに繋がらないでしょうか。占いと同じ気持ちで扱っては,いけないものだと思います。

 「なんだ、あいつ,嫌な奴だと思ってたけど,結構いいとこあんじゃん」って思った事はありませんか?そう言う,相手の良いところを見つけよう,自分の悪いところは直していこうって言う気持ちや努力を曇らせるような考え方はしたくないと,私は感じました。
 たとえ今後,血液型と性格の関係が科学で証明される事があったとしても,です(そんな事はほとんどあり得ないですけどね(^-^;

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