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「学会発表」とか「特許出願中」とか

 昔から雑誌の広告だとか,TVコマーシャルだとかで,特許出願中!とか言うのを見て,「おお,すげぇ,最新の技術とか,使ってんだなあ」って,思っていました。

 実は,え,別にすごい事でもないの?って知ったのは,つい最近の事(^-^;

 まず学会発表について。
 学会のルールは,別に統一のものがある訳ではなくて,学会ごとにルールは異なるみたいです(又聞き)。ただ,学会発表で共通してるのは,「最新の知見を持ち寄って,みんなでいろいろ検討して,お互い参考にしようよ,みんなで叩き上げて,もっと良いものにしようよ,研究に活かしていこうよ」っていう場である,ということなんですよね。
 だから,発表には,学会員であればかなり自由に参加できるんです。
 物理学会などではこんな発表もできちゃいますw (ええと,一応念押ししておきますけど,「へえ,これって学会で発表できるほど認められてるんだ。すごい!」ではありませんからね)

 その点,科学論文とはかなり違います。論文は,特に海外の査読付き雑誌などは,他の研究者によるチェックを受けて,内容の不備があれば突き返されます。一定以上の水準のものでなければ,掲載される事はありません。

 学会発表は,もちろん研究の上で大変有意義なものではあるんですが,「学会で発表しました」って言う事が直ちに何らかの価値を持つ,とは限らない訳です。
 重要で大きなインパクトを持つ研究が学会で発表されることは勿論ありますが,学会で発表されたからと言って、重要でインパクトが大きい訳ではないのです。

 

 「特許出願中」は更に眉唾物です。
 まず特許は,出願するだけであれば,お金さえ払えば,どんなわやくちゃな内容であっても出来ます。永久機関の特許とか,普通に出願されています。
 更に,新規性がありさえすれば,審査請求して特許を取得できる事すら,まれではありません。

 特許の審査は,有用性を判断するものではありません。内容の妥当性を判断するものでもありません。それが従来の技術と比較して,新規性を持っているかどうかを判断するものです。
 特許って,そもそも企業が「お前ら,この技術はオレが特許を持っているんだから,まねすんなよ」と言う事を示す為に取得するものなんです。特許制度は,よそに真似されちゃ困る技術でも,その内容を保護しつつ,広く公開する事によってみんながそれを参考にして,更に新しい技術を生み出していく為のものなんですね。
 だから,何の役にも立たない特許を出願するって,本来意味の無い事なんです。誰も真似しない,参考にしないものって,特許を取る意味は無いんですから。

 でもいつからか,特許は一般の消費者にとって「何かすごい技術」という印象を与えるようになりました。それを逆手に取って,一般消費者に「すごい商品」という印象を与える為だけに,特許を出願する会社もある訳です。

「学会で発表し,大きな反響がありました」
「この技術は現在特許出願中です」
 これらのキーワードが出てきたら,もうそれだけで眉につば付けて構いませんw

<一応注意書き>
 もちろん,まともな商品だって,特許が取られています。でもその場合は,「特許出願中」では無くて,「特許取得済」とか書かれているはずです。「取得」と言うのは,ちゃんと審査を受けて,特許として認められた,と言う事。「出願中」と言うのよりは信頼できます(それでも全面的には信頼できませんが)。
 でも,特許の本来の意味を考えれば,それを宣伝行為に使っているっていうだけで,ちょっと色眼鏡で見られてもしょうがないんじゃないかなあ。

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