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「ゲルマニウムだから」「護符だから」ではない,ということ

 お久しぶりです。

 ちょっと書いてみたいと思って,マクロビオティックについて調べていたんですが,全然分かりませんorz
 いや,インターネットにだって情報は転がっているし,本屋で立ち読みもしたんだけど(※1)そうやって入手した知識が,社会で実践されている「マクロビオティック」と完全に乖離したものに見えてしまうのです。
 と言うわけで,まだ全然言及できない状態でして,もうちょっと調べてみるつもりですが,結局エントリに出来るレベルにはならないかも(^-^; とりあえずどらねこさんのところでもっかいイチから勉強し直しです。

 と言うことで,今日はマクロビオティックではなくて,よそ様の記事に対する感想を書きたいと思います。一応「ニセ科学批判」批判に対する応答,になるのかな。
 いろいろなトコロでとっくに言及されていて,蒸し返しみたいになってしまって申し訳ありません。

 今回言及するのははてな匿名ダイアリーのこちらの記事。

なぜゲルマニウムブレスレットはNGでも護符は良いのか

しかし、そもそも「ゲルマニウムブレスレットはダメだけれど、護符なら良い」という線はどこから来るのでしょう。

 と言うのは,全然自明じゃないと思います。私は,護符だってダメな場合を想定できます。例えばこの辺は私のボーダーラインにかなり近いです。こういった存在がより問題の大きいモノへのステップになっているコトを考えると,個人的には問題視したいレベルです。
 後段でグレーゾーンに言及されているので,こういう書き方で分かっていただけるのではないかと思いますが「護符にだって黒いものもあれば,グレーのものもある」です(※2)。

カルト宗教が300円くらいで護符を売っていたら、そんなに怒らないかもしれない。少なくともわたしはそんなに怒らない。値段の問題なのでしょうか(笑)。

 冗談めかして書いていらっしゃいますが,私はこれも十分大きな理由(理由というか深刻度を測る物差し)になるだろうと思っています。300円のモノと,10000円のモノがあったら、10000円のものを優先して批判する,という意味で。
 ただこれ,「ニセ科学」の視点とは別の論点に見えます。

 世の中にはニセ科学を利用していない悪徳商法だって山のように有って,それらに対してだって,私は怒りを抱きます。でも,実際にはニセ科学関連にもっぱら言及しています。
 それは,ニセ科学が経済的損失に留まらない問題を孕んでいるからで,私は「科学を装う」部分こそが問題だと考えているのです。

 経済的な損失だけで考えるのなら,「ニセ科学批判」=「悪徳商法批判」になるんじゃないかな。でも,私にとっては(そしておそらく多くのニセ科学批判者にとっても)そうじゃありません。
 300円のニセ科学関連商品と,10000円のニセ科学とは関係ないインチキ商品があったら,私は多分300円の方に怒ります。一方で10000円の方に怒る人がいても不思議とは思いません。その人は多分「ニセ科学」の部分ではなくて,「悪徳商法」その他の部分を問題視しているのでしょう。その心情も十分理解できます。

 ですので「値段が問題になる場合もあるし,そうでない場合もある」です。

 「悪徳商法ダメ!」と言うのと「ニセ科学ダメ!」って言うのは,重なる場合が非常に多いんだけれど,本来的に独立した問題なので,別々に考えたいところです。

 どこまで行ったら詐欺なのか、というのは微妙な問題で、どこまでもグレーゾーンが残ります。詐欺すれすれの営業でも営業技術のうち、とも言えるわけです。「ズルい」と思う人もいるでしょうが、ばかしあいで勝つのも世の中で生きる技術の一つです。

個人的には、グレーゾーンはあってよろしい、と思っています。ゲルマニウムすら、値段が安かったら別に怒りません。「それで治ると思っている人がいるならいいじゃない」とすら思います。プラシーボか何かで本当に治る人もいるかもしれない。というか、値段が高いと高いだけで何か効果ある気がしてくるし、そういうパワーも馬鹿にならないと思う。一慨に叩けばいいってものじゃない。

 この辺は,私の考えとはかなり大きく異なっています。私にとってグレーゾーンはやむを得ず存在しているものであって,その存在を積極的に認めるものではないからです。
 グレーゾーンの存在を認識しておくことは大切だと常々思っていますが,グレーゾーンが必要だと思ったことはありません。
 ここでは適正な商売と詐欺商売との境目,という意味で「グレーゾーン」と表現されているようですが,私はやっぱり「シロに越したことはない」と思います。科学とニセ科学の境目,だったとしても同じ。
 あと「それで治ると思っている人」を生み出したのは一体誰なのか,そこも問題にしたいトコロ。

 余談ですが,適正な商売でプラセボ効果を得ることも,可能じゃないのかな。「プラセボ効果が得られるなら,グレーゾーンは許容できる」という主張は,「シロではプラセボ効果が得られない」コトが前提になるかと思うんですが。

ただ、ゲルマニウムにしてもマイナスイオンにしても、あんまり熱くなって批判するのはどうなのかな、とは思っています。笑える余裕を失って批判している人の話は、わたしなら聞きません。「なぜそう判断するのか」というのも、また面白い問題ですけれど。

 これは私個人の価値観かもしれないのですが,マジョリティが軽い気持ちで「あれってニセ科学だよね」的な言及をすることも,雰囲気の醸成と言う意味では必要かも知れませんが,真剣な批判はそれ以上に重要なものだと思っています。
 例えば,と学会は「トンデモを笑い飛ばす」というスタイルで活動しているのですが,これはまさに雰囲気の醸成という効果を得ることを目的とした,第三者に見せる為のスタイルとして許容できるのであって,もしココロからバカにしきって揶揄しているとしたら,私には支持できないやり方です(※3)。
 でもまあ,商売としてなら許せる,という人もいるのかも知れません。私は商売の為にやっているなら尚更許容できませんけど。

 引用が前後しますが,

 ゲルマニウムやマイナスイオンを批判する人がいなくなってしまうのは、もちろん問題です。ただ、別に喧嘩や議論をしたくはないのですが、ニセ科学批判をしている人の一部に、何だかカルト宗教と五十歩百歩の凝り固まった精神が感じられる時があるのは、わたしだけではないでしょう。

 ひとつ前の引用と重ねて読むと,「真剣に(熱くなって)批判していると,カルトに見える」というコトなのかも知れません。批判行為には必ず批判対象が存在していますから,批判行為はおしなべて「攻撃」と見なすことも出来るわけです。
 「他人を必死で攻撃する」=カルトという感覚は分からなくもないのですが,そうすると、あらゆる真剣な批判行為がカルト視されてしまいそうで,うーんムニャムニャ・・・

 ニセ科学批判の文脈では,少なくとも相手の「科学である」という主張は否定しなければなりません。
 これをイコール「他人の価値観の否定」や「相手の全否定」と読み解いているのだとしたら,そうは読み解かないで欲しいな(※4)。って,リンク先の記事にそんなことは書かれていないんですけど,カルト宗教と並べるのは,もしかしたらそういう印象をお持ちなのかな,と思ったので。

<参考>
 以下の場所でリンク先記事に関連したエントリを挙げておられます。

PSJ渋谷研究所X
 教えて、元増田

Archives
その「カルト性」はニセ科学のもの

 

 もうひとつ,他のかたの他の記事に対する感想を書こうと思っていたのですが,長くなったので後日にします。

<2009年07月13日追記>
 コメント欄にてどらねこさんにご紹介いただきました。有り難うございます。 

 元記事を書かれたかたが,PSJ渋谷研究所X様の教えて、元増田に応答したエントリを挙げていてくださっていたようです。

よしこ画伯の茹で写真様のマイナスイオンで髪を乾かしながら、歳をとっていきたい

 開かれた場所でブログなどを書いていると思わぬ反響をもらったりしますよね。今回いろいろなところで取り上げられたことがご本人の負担になっているとすればちょっと心苦しいです。
 自分の記事に関連して何か書かれても,議論する必要も,応答する必要すらないと思います。

 でも,周りが反応するのを,許容だけはして欲しいなあ。

 あと、「ニセ科学批判の人」の中にも,「カルト」と言われてちょっぴり傷つく人もいますw

<追記終わり>

<注釈>
※1
 最初は購入するつもりで行った(私は普段立ち読みはほとんどしない)んですけれど,あの内容に2000円は払えませんでした(^-^;
 図書館にも行ってみましたが,ほとんど貸し出し中でした。こちらは内容は確認できていませんが,私が立ち読みしたものと50歩100歩だとすると,これらの図書が引っ張りだこになっている状況はかなり怖いですね。

※2
 じゃあゲルマニウムブレスレットにもグレーや白はあり得るのか,と言えばそれはその通りで,「この製品は,健康に対する効果は科学的になんら認められておりません」と明記して売れば(かつ健康に悪影響が無いことが確かめられていれば)シロと判断されたかも知れません。でも健康効果をさんざん刷り込んでおいて,今更売り方を変更しても,私は批判的な見方を変えませんけど。

※3
 人が真剣にやっていることを笑い飛ばすというのは勇気と綿密な準備が必要なコトで,スゴいなあ,とは思います。

※4
 そもそもそういう読み解き方が出来ない様な活動に出来れば良いんでしょうけれど,難しいでしょうねえ。統率されている活動ではないし。
 正面からの批判を見たとき,私などは批判者の誠実さの表れだと受け取るのですが,この捉え方に他の人との温度差を感じることが少なくないです。

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コメント

丁寧な論考で大変参考になりました。
http://gahaku.g.hatena.ne.jp/yoshikogahaku/20090712/1247378770
こちらはお読みになりましたか。余計なお世話でしたら申し訳ありません。
私はちょっと考えてしまいました。だけど、尚更子供の教育現場にニセ科学を侵入させてはならないと思いました。

マクロビ記事、期待してます。

投稿: どらねこ | 2009年7月13日 (月) 08時31分

 どらねこさん、こんにちは。

 ご紹介ありがとうございました。全く追えていませんでした(汗)
 自分のアンテナの低さが時々イヤになります(^-^; ご指摘いただけて,とても助かりました。

 本文にも追記しておきました。

 マクロビオティックは、スミマセン,途方にくれています。
 なんと言うか、個別具体的な言及はできそうな気もするんですが、俯瞰して総括しようとすると捉えどころがなくなってしまって、言葉が宙に浮いてしまいます。
 個人的には,マクロビ界隈は大きな問題を孕んでいると思っていて、なんとか取り上げてみたいのですが、今のままだと難しいです。何か一つ、切り口が見つかればスッといけそうな気もするのですけど・・・

投稿: ハブハン | 2009年7月13日 (月) 21時48分

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