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2010年5月

是認と批判は両立する

 一般論を書きます。
 ある批判に対する、「こんなに有用なモノを批判するなんてけしからん」と言った主張は、スゴく無理スジに感じます。
 批判を受け入れることが、そのコト、モノの有用性の消失または減少と直結していたとしても、です。

 有用性は有用性。批判は批判。
 それらを天秤にかけて、採用するか採用しないかは、選択の問題。

 採用することにしたとしても、「でもこんな問題点があることは注意しておかなくちゃ」という意識が欲しいし、逆に採用しないことにしたとしても「でもこのメリットを放棄することになるんだなあ」と思って欲しい。
 そういう意識を持つ上で、「有用なモノだから批判するな」とか「こんな欠点があるのだからさも便利なように言うな」などと言う主張は、むしろ逆の方向への意識付けになってしまいそうです。

 「その批判は不当だ」とか「その問題は有用性の大きさに比べて取るに足らない」といった意見は当然ありうるわけですけど、それらと「批判するな」って言うのとは、ぜんぜん別ですよね。

 有用性を保ちつつ問題が減少するように改善していければ、それに越したことはないわけですけど、世の中そうはいかなくて、メリットを享受するために、多少に関わらずデメリットを併せ呑む必要があるケースがほとんどだと思います。
 そんな時、是認する側がデメリットを、批判する側がメリットを封殺するような風潮は、なるべく無くなって欲しいなあ。

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9割正しい検査を受けて出た結果が、9割正しいとは限らない、というコト

 連休中に消化出来なかった本やDVDやゲームを、ガンバって半分くらい片付けました。
 その中の一冊、別冊日経サイエンス「こころと脳のサイエンス 01号」の記事の一部をご紹介したいと思います。

(P.54より引用)

 マンモグラフィの結果が陽性だと知らされた女性が、主治医にこう尋ねたとしよう。「私は確実に乳がんなのですか。乳がん である 確率はどれくらいですか?」
 ギゲレンツァは2007年、婦人科医向けのある研修コースで160人の開業医に、女性と乳がんに関する以下の情報を前提に、上の質問に応えるよう求め た。

・ある女性が乳がんにかかっている確率(有病率)は1%である。
・乳がんの女性が検査で陽性になる確率(感度)は90%である。
・乳がんではない女性が検査で陽性になる確率(擬陽性率)は9%である。

 先ほどの女性の質問に対する最良の答えは次のうちどれだろう。

A.あなたが乳がんである確率は約81%です。
B.マンモグラフィーの結果が陽性になった10人のうち、乳がんであるのは約9人です。
C.マンモグラフィの結果が陽性になった10人のうち、乳がんであるのは約1人です。
D.あなたが乳がんである確率は1%です。

 検査の感度が9割もあると、陽性になった時点で病気であることがほぼ確定のような印象がありますけど、有病率が低い場合は、擬陽性である可能性が非常に大きくなる、というのがミソなんですね。
 こうやって問題形式になっていれば、まあ正解にたどり着けます。間違える可能性があるからこそ問題になっているわけで、自ずと慎重に検討しますし。
 でも、日常生活の中でなにげなく判断しているコトの中にこのような事例が入ってくると、間違いの可能性に思い至ることすらないまま結論を下してしまいそう。
 ちなみに私は、この問題の答えを出すために3分以上悩んでしまって、自分の数学的センスのなさに改めて気付かされました(^-^;

 なお、表現の仕方によって、正答率は大きく変わることも説明されていました。

 検査の統計値が自然頻度の形で提示されれば、医師たちはもっと容易に正しい確率を導き出せるだろう。例えば次のような形だ。

・女性1000人につき10人が乳がんにかかっている。
・この乳がんの女性10人のうち9人は検査結果が陽性になる。
・乳がんではない990人のうち約89人は、それでも検査結果が陽性になる。

 なるほど、こちらの表現のほうが分かりやすいです。式で表すと、こうですね。

 陽性になる、乳がんの女性の数=1000×0.01×0.9=9
 擬陽性になる、乳がんでない女性の数=1000×0.99×0.09=89.1

 表現を恣意的に選択することによって、与える印象を操作するような事例もイロイロありそうですね。数字に接する際には気をつけなくちゃ。
 つーか、もっとセンス身につけなくちゃ(^-^; 高校のときの教科書でも読み返そうかな・・・

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読書感想_科学と神秘のあいだ

 年明けからずっと忙しい日々が続いていて、それでも連休はフツウにとれたんですけど、読もうと思って買いだめしておいた本はほとんど読まずに、大掃除し たり、お買い物に行ったり、散歩に行ったり、観光したりしてました(^-^;

 それでもガンバって読んだ本についてご紹介。

「科学と神秘のあいだ」_筑摩書房

 大阪大学サイバーメディアセンター大規模計算科学部門の菊地誠教授(kikulogのブログ主)がwebちくまで連載していたエッセイを、一冊にまとめたものです。

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