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ホメオパシーの許容範囲

<修正しました:アマデウス龍彦さんのお名前を間違えていました。大変失礼しました>

 kikulogの複数のエントリに、ホメオパシーの医療としての利用に肯定的な、アマデウス龍彦さんという方が複数のコメントをお寄せになっています。

「報道ステーションでホメオパシー」のコメント欄
「ホメオパシー」のコメント欄

 最近のやりとりだけを見て、アマデウス龍彦さんのコメントに対するまわりの応答が非常にトゲトゲしい、攻撃的だと感じるヒトも居るんじゃないかな、と思います。
 そう言いつつ、私自身、彼女のコメントを読んでいてかなりイラッ☆と来るのも確かで、その理由をちょっと書いておいたほうがいいのかな、と思いました。
 文章の書き方そのものに関する問題は措いて、ホメオパシーに関連するところだけピックアップします。

エントリ「ホメオパシー」のコメント726より>

モーツアルトの音楽やその他諸々とともに、ホメオパシーのレメディも救いになっていたことは確かです。
だから、ホメオパシーを毛嫌いし危険視する皆さんの考えが、今一つ理解できないままです。

まず下の文からですが、「ホメオパシーを毛嫌いし危険視する」の「ホメオパシー」についての説明を、していませんでした。
「自然治癒する程度のものや、逆に治療法のない病気や症状において、効果が気休め程度であることをわかった上で、希望する人が利用する類のホメオパシー」を意味していたのです。

同コメント761より>

私は、通常医療を否定的にとらえて代替医療にはしっているというより、通常医療をベースにしつつ、代替医療で補えるところは補いたいという、統合医療的な考えに近いです。

よく、ホメオパシーなどの代替療法の罪の一つとして、それまでの薬を止めさせることによる、悪化が言われています。
それはそのとおりです。長年使用していた薬を急にやめることは、非常に危険だし、減量すら大変なことです。
精神科で処方する時も、薬を変更、減量する時には、神経質に気を遣うものです。
そういう配慮なく、薬の副作用のみを煽って、簡単にやめる方向に導くのは、非難されるべきでしょう。

 一見、極めて穏当なホメオパシーの利用を主張なさっておられるように見えます。ところが一方では以下のような発言も。

同コメント744より>

プラシボ効果や確証バイアスなどが絡みあった現象なんでしょうか?
今までの研究では、プラシボと変わらないという結果でしたね。
でも、それは実験の場においてであって、実験の場と現実の場では、また違ってくると思います。
私の実感としては、プラシボ以上の変化が起きる感じがするのです。
微妙な感じなので、文章でうまく伝えることはできないのですが。
例えば、どのレメディをあげても変化の無かった人が、あるレメディを摂った途端に変化を起こして、「ヒットした」という感じを得ることがあります。それはたまたま偶然だったと言えば、そうかもしれません。
が、この「ヒットした感じ」というのが確かに存在していて、ホメオパシーを信じている人は、それをたいてい体験しているようです。

同コメント787より>

今までの研究では、効果なしという結論が出ていたではないかと、言われそうですが、私が、以前あげていた時の感覚からすると、よく効くのです。
もちろん、幻覚や妄想のような中核の症状に使うのではなく、不定愁訴のようなものに対し、インフォームド・コンセントの上で、通常の薬に加えて、補足的に使っての話です。

同コメント791より>

buntaさん、御意見は、わかりました。
ただ、副作用やプラシボへの考え方が、私とbuntaさんとでは違うようです。
私がbunta さんのような人生を歩んでいれば、buntaさんのような考えになったかもしれません。
また、逆も言えると思います。
私は、副作用の問題を大きく捉えざるを得ない人生を送ってきましたし、プラシボは何もしないよりは効果がある、ということなので、積極的に使いたいという考えなのです。

 えーと、要するに彼女の発言って(文章を読む限り)「ホメオパシーは科学的に証明はされていない。でも一部の病気に対しては現代医療よりも効果はあるんだ」なんですよね。「プラセボ効果だけ」「気休め程度」とご自分でおっしゃっていながら、その「プラセボ効果」や「気休め」に、現代医学の実質的効果をはるかに凌駕する効果がある、あるいは現代医療に、プラセボ効果だけの方が遥かにマシなほどの副作用がある、と主張なさっているように見えます。
 でないと、「気休め程度」というセリフと「よく効くのです」というセリフが同じヒトのコメントで出てくるとは思えない(^-^;

 それからたぶん、他のコメンターと同じ言葉を使っていながら、かなり異なる意味を込めていらっしゃいます。例えば「希望した人に」の意味とか。
 ホメオパシーを知らないヒトに「こんな『治療』も選択できますよ」なんて言って、「ふーん、じゃあ試してみようかな」って患者が言い出したら、それはもう「希望した人だけに処方」ではないんですよね。

 世の中にはわざわざ医者の方から勧めなくても、ホメオパシーに絶大な信頼を抱いているヒトがいます(残念ながら)。
 そういった人が自ら強く希望しているときに限って、

(1)通常の医療行為を拒否しない範囲、かつ
(2)周りの患者に影響を与えない範囲で、
(3)患者が自分自身の行為としてホメオパシーを利用することを、
(4)(肯定でも許容でもなく)黙認する。

 くらいがギリギリ許容範囲なんじゃないかな(※1)。

 世の中には安静にしているだけで大半の人が自然治癒するような病気があります。自然治癒が通常考えられないような病気でも、ごくマレには回復するヒトがいます。
 自然治癒だったにも関わらず「すごい、効き目があるんだ」と思ってしまうヒトを新たに生み出してしまいかねない行為については、慎重な上にも慎重であるべきではないでしょうか。

 特定個人の延命、もしくはQOLを考えた場合に、ホメオパシーを利用した方が良い結果をもたらすケースは、きっとあるんだろうと思います。
 すでにいる、そういうヒト達に対してホメオパシーを適用する(ことを黙認する)かどうかについては議論の余地があるにしても、新たにそういうヒト達を生み出しかねない行為について賛同を得るのは、ほぼムリでしょう。

 そして、彼女の言動は、そのムリ筋を狙っているように見えます。言葉を飾らずにいってしまうと、「病気に効くなんて、ひとことも言っていませんよ」と言いながら、体験談やらヘンテコな科学用語やらをちらつかせ、自己責任を強調しつつ、がん患者に対して一箱10万円のお茶を売りつける業者の行為、に酷似しているのです。
 ご本人がどういうつもりでコメントなさっているかに関わらず、このような発言が続けられる限り、周りの人からの批判的な応答は無くならないでしょうねえ・・・

・・・などと書いているうちに、kikulogのエントリ「ビタミンK問題: 助産院とホメオパシー :: ニセ科学」では、かの人のコメントが削除される事態に(´・ω・`)
 他のエントリはともかく、このエントリ内でのコメントを見ると、そういう対応をされてもしょうがない内容ですね。

 どんなつもりで書いた文章でも、一旦公開されればそれは社会的な意味を持つモノになります。個人の感情や精神状態を斟酌して反論や批判を控える、なんてコトは出来ないし、するべきでもありません。だからいきおい、突っ込みどころの多い発言には批判が集中します。
 そうやって寄せられたネガティブな意見に対して、反射的で感情的な反応しかできないような状態の時は、一旦ネットから離れたほうがいいんじゃないかなあ。まあ、離れることが出来ない状態、でもあるんでしょうけど。

<注釈>
※1
 プラセボ効果自体の適用範囲は、もうちょっと広くても良いかも知れませんが、その場合プラセボ効果をもたらすモノが「ホメオパシー」である必然性はありませんし、弊害(※2)を考えたら「ホメオパシー」であってはなりません。

※2
 「弊害」とは例えば、「ホメオパシー」の効果を実感したヒトが、他の(もっと有害な)病気にもホメオパシーを適用しようとしたり、他の人に広めたり、といったことです。

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コメント

大したことではないのですがお名前が間違っています.
「アマデウス滝彦」ではなく「アマデウス龍彦」さんです.
この方はお名前を間違えると非常に不愉快になられるようなので,念のため.

不快になるので,私はすでに彼女(?)のコメントは全く読んでいないのですが,他の方の受け答えを見る限り相変わらずのようですね.
暗い気分になります.

投稿: phase_tr | 2010年7月11日 (日) 21時25分

 phase_trさん、こんにちは。

 うわわわっ、素で間違えてました(汗)
 ご指摘ありがとうございます。

>不快になるので,私はすでに彼女(?)のコメントは全く読んでいないのですが,他の方の受け答えを見る限り相変わらずのようですね.
暗い気分になります.

 多分対話じゃなく、おひとりで文章をまとめられたほうが、まだしも軋轢は少ないんだろうと思います。
 その場の雰囲気に乗っかった応酬が多いように見受けられます。

投稿: ハブハン | 2010年7月11日 (日) 21時38分

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