« ニュース紹介_朝日新聞社:ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話 - アピタル(医療・健康) | トップページ | 日本ホメオパシー医学会の(ry »

日本ホメオパシー医学協会の(ry

 日本ホメオパシー医学協会の新しい記事、「その7  日本学術会議の声明文に対するJPHMAの見解」を読みました。


 ・・・あんなぁ、なんでもかでも突っ込んでもらえる思とったら、おおまちがいやで。


 でもしゃーないから三つだけ。

<一つめ>

ホメオパシーの有効性を示す典型的な出来事として、英国で1854年にコレラが大流行したことがあります。記録によるとこの大流行の期間中、ホメオパシーの病院では死亡率がわずか16.4%だったのに対して正統派医学の病院では50%でした。

 えと、ウィキでいいよね。「コレラ」の項目より引用します。

現在は適切な対処を行なえば死亡率は1~2パーセントである。

 現在では、ホメオパシーで処置した場合の死亡率は、通常医療の死亡率の10倍、って認識でいいのかな。
 それともなにか新しいデータ、あるんでしょうか。・・・いや、無いでしょうね。なんせ自分で、

ホメオパス(ホメオパシー療法士)が200年間一貫して変わらずハーネマンが使っていたのと同じレメディーでホメオパシー療法を行っている

って言っちゃってるくらいなんで。

 ちなみに、ウィキにはこんな文章もあります。

治療を行わなかった場合の死亡率はアジア型では75~80パーセントに及ぶが、エルトール型では10パーセント以下である。

 1854年の流行が何型だったのかは分かりませんが、ホメオパシー病院での治療に効果(あるいは害)があったのか無かったのかは、判断しづらいところです。
 治療の効果を述べるなら、当時の医療と比較するのではなく、他の条件(衛生状態、栄養状態など)を揃えた上で、治療を受けていない群と比較するべきかなあ、と思います。

<二つめ>

日本学術会議はホメオパシーは「科学の無視」であるから戸惑っていると主張します。何をもって「科学の無視」というのでしょうか? 事実を尊重することが 「科学の無視」になるのでしょうか? 事実よりも科学が正しいなどということが一体あるでしょうか? 有り得ないことです。これまでの科学の理論と事実の 間で不整合があった場合、それは科学の理論が不完全であることを意味します。

 原文のニュアンスが曲げられているのはいつものコトだからまあ措いて、「事実」というコトバを「個人が経験したこと」という意味で使っているのなら、事実を尊重することが「科学の無視」になることは、十分ありえます。
 逆に「科学は事実を尊重する」という時の意味で限定して使うなら、「個人の経験は『事実』ではない」と言ってしまえると思います。

 「事実」などという、広く頻繁に使用されている言葉は、文脈によって違う意味を持ち得ます。
 この記事のようにひとつの文章内で違う意味を持たせてしまうと、文章全体が不整合を起こしますので、使う側にも注意が必要ですし、読む側も惑わされないようにしないといけませんね。

<三つめ>

今事実の相違から裁判で争っている事例を、あたかも、一方の言い分を事実であるかのような前提で話をするのは、いかがなものかと思います。

(中略)

       もし、このK2シロップにそこまでの必要性があるのならば、国は投与を義務化すべきと考えますが、生後わずかな赤ちゃんに、出血を防止するために人工物を 投与することが、本当に何も影響がないのか、K2シロップは副作用がないと言われていますが、長期的に見ても本当に何も影響がないのか、誰も追跡のしよう がない状況で、義務でない人工物を摂取しない、という自由は、もちろん自己責任においてですが、認められるものと考えています。この件はいずれ法廷で事実 関係が明かされるものと考えています。

 エントリのたびに書いていますが、一般に「人工物を摂取しないという自由を認めるコト」と、「個人の不安を煽り、よりリスクの大きい選択をするように誘導する行為を批判するコト」とは、問題なく両立します。

 それはさておき、日本ホメオパシー医学協会の記事では、裁判で事実関係が争われていることをたびたび強調しています。もちろん、事実関係が明らかになって初めて言えるコトもあるのでしょうけれど、それとは無関係に表明しておけるコトもたくさんあるだろうと思います。

 私がホメオパシー団体、あるいはホメオパスに明らかにしておいてほしいなあ、と思っていることを書いておきます。
 今回の一連の事件、報道に関連した疑問もあるし、そうでない疑問もありますけど、おしなべて、裁判の経過に関係なく明らかにできる項目ばかりだと思いますし、実際にいくつかの項目については明らかにしている組織・個人もありますよね。
 そして裁判の経過に関係なく、その組織・個人の姿勢を第三者が評価できる項目、のつもりです。

(1)
 K2レメディは効果があるのか、効果がないのか
(2)
 K2レメディに限らず、通常医療よりも効果があるレメディはあるのか、無いのか。ある場合、それはどの通常医療とどのレメディか
(3)
 K2シロップの代わりにK2レメディを与える行為は正しいと考えるのか、正しくないと考えるのか
(4)
 問い(2)で「ある」とする場合、そのケースでは通常医療の代わりにレメディを与える行為は正しいと考えるのか、正しくないと考えるのか
(5)
 当人あるいは保護者に説明無く、第三者が通常医療の代わりにレメディを処方する行為は正しいと考えるのか、正しくないと考えるのか
(6)
 問い(2)で「ある」とする場合、問い(5)において通常医療よりもレメディの方が効果が高い場合はどうか
(7)
 組織が定めた認定制度で認定された、あるいは少なくとも組織員であるホメオパスが、ホメオパシーの間違った運用を行った、あるいはホメオパシーによってクライアントに重篤な結果をもたらした場合に、組織はその事例について確認・検証を行い、必要に応じて被害の補償を行い、また組織・認定制度を改善していく責を負うのか、負わないのか。
(8)
 問い(7)で責を負わないとする場合、当該組織又は認定制度にはどのような意味・意義があるのか。
(9)
 「ホメオパシー」「ホメオパス」を名乗る複数の団体、もしくは個人が、互いに対立する主張・行為を行っている場合、自らの組織・組織員の主張・行為の正当性をどのような方法で保障するのか。
(10)
 「ホメオパシー」「ホメオパス」を名乗る複数の団体、もしくは個人の中に有害なモノが含まれていた場合、組織としてどのような対応を行うのか。

 色々なレイヤーの問いかけが混ざっちゃってますけど(^-^; これらが明らかになっていたら、少なくとも私はその組織・個人に対して、何らかの評価を下せるような気がします。

|

« ニュース紹介_朝日新聞社:ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話 - アピタル(医療・健康) | トップページ | 日本ホメオパシー医学会の(ry »

ニセ科学批判」カテゴリの記事

ホメオパシー」カテゴリの記事

代替医療」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/204975/36453210

この記事へのトラックバック一覧です: 日本ホメオパシー医学協会の(ry:

» ホメオパシーについてひとこと言いたい [サプリスト(サプリメントの正しい知識と選び方)]
今日、仕事中に薬局に送られてくるFAXに、日本薬剤師会の会長がホメオパシーについて云々・・というのがあったので、今日はそれについてちょっと書いてみます。そもそもホメオパシーとは?ウィキペディアから引用すると・・「ホメオパシー (Homeopathy, Homoeopathy, Hom��opathy) とは、「極度に稀釈した成分を投与することによって体の自然治癒力を引き出す」という思想に基づいて、病気の治癒�... [続きを読む]

受信: 2010年9月 1日 (水) 23時39分

» Twitter Trackbacks []
[続きを読む]

受信: 2010年9月 4日 (土) 15時31分

« ニュース紹介_朝日新聞社:ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話 - アピタル(医療・健康) | トップページ | 日本ホメオパシー医学会の(ry »