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読書感想_デタラメ健康科学(2) デトックス

 前回のエントリの続きです。

<過去のエントリ>
読書感想_「デタラメ健康科学_代替療法・製薬産業・メディアのウソ」

 今回はちょこっと細かいトコを見ていこうと思います。

第1章 デトックスで体はきれいになる?

 「デトックス」 非常にしばしば耳にするコトバです。
 「マイナスイオン」には騙されていた私も、デトックスはさすがにハナから信じなかったんですけど(※1)、世間一般には結構受け入れられていますよね。テレビなんかでゲーノー人が無邪気に紹介していたりして。

 で、この本ではフットバス、イヤーキャンドル、デトックスパッチの三つが、ケチョンケチョンに言われていますw いや、この本、全体を通して表現がちょっとキツめなんです(^-^;
 どのくらいキツいかと言うと・・・

(p.16より引用)

 「君の意見には納得できない」といってくる人と私はしょっちゅう話をしている。それが趣味だといいたくなるくらいだ。ほかにも大勢の人が科学に対する持論をしきりに聞いてもらいたがる。だがそういう人に限って一度も実験をしたことがない。自分の手で考えの正しさを確かめたこともなければ、結果を自分の目で見届けたこともなく、その結果が何を意味するのかを自分の頭で考えたこともない。彼らにとって「科学」とは手法ではなくモノリスのようなもの。謎であり権威である
 科学の基礎を学ぶのにもってこいの方法がある。ニセ科学の突飛な主張のウソを暴くことだ。そもそも科学はいろいろな仮説の誤りを照明するためにあるようなものだというのがひとつ。それに、インチキ健康商品をつくったり売ったりする連中には科学の知識が欠けているので、言い分が単純で確かめやすいというのもある。論理の組み立てに基本的な誤りがあるうえ、磁力、酸素、水、「エネルギー」、毒素といった概念に頼っている。中学校レベルの知識であり、どれも家庭で実験できる範囲だ。
(強調は引用者)

とまあ、こんな感じ。
 フットバスなんかは日本でも馴染みが深いですが、それが本当に効果的なのかどうかを見分ける、ごくカンタンな方法が紹介されています。 

最初の実験は本当に無茶苦茶な題材で試してみたいだろうから、デトックス(毒素排出)から始めるとしよう。「アクアデトックス」という商品はデトックス効果をうたったフットバス(足浴器)で、類似品はほかにもたくさんある。
(中略)
 この種の商品の考え方はじつにわかりやすい。体には「毒素」が詰まっている。
(中略)
 足をフットバスに入れると毒素が抜き取られてお湯は茶色に変わる。では茶色は毒素のせいだろうか。それともただの演出効果?
 この点を確かめるにはどこかでアクアデトックス・トリートメントをやってもらい、セラピストが席を立つのを見計らって足をフットバスから出してみればいい。足を入れていなくてもお湯が茶色くなるなら、足のせいでも毒素のせいでもないことになる。

 うん、コレならご家庭にある、みんなが喜んで使っているデトックスフットバスで試せそうですね。「真実」を知りたい人は、やってみるといいかも。あ、でもプラセボ効果を最大限に得たかったら、やめといたほうがいいけど(^-^;

 ちなみに、業者さんもいろいろ企業努力wをなさっていて、足を入れないと茶色くならないフットバスもあるそうです。
 こちらは実際に試したかたが情報提供なさっているページ。

 イヤーキャンドルやデトックスパッチの項は割愛。まあ扱いは似たようなもんです(^-^;

 章の最後は「デトックスは科学ではなく文化の産物」と題して、以下のように書かれています。

 デトックスは科学的には意味が無いので文化の産物と考えたほうがいい。ニセ科学のよくできた発明には、ためになる常識と医学ふうの突飛な思いつきが混ざりあっている。デトックスもそうだ。
(中略)
 ほとんどの宗教や文化には、何らかのかたちで体を浄化したり節制をしたりする儀式がある。たとえば断食をする、普段とは違うものを食べる、沐浴して体を清める、などだ。たいていはわけのわからない飾りがついていて、科学でございますという顔はしていない。それもそのはず、人間の辞書に科学用語が入ってくるより前の時代に始まったものだからだ。
(中略)
先進国の人間は極端なまでに物欲にふけっているため、その罪を清めて贖いたいと思っている。薬物や酒や、体に悪い食べ物や、いろいろなぜいたく品を私たちは口に詰め込む。いけないことだとはわかっているので、そのツケが回ってこないように何かの儀式で逃れさせてほしい。
(中略)
清めのための食べ物や儀式には、いつもその時代や場所を象徴するものが選ばれてきた。今の時代、自然や道徳を説明し、善悪を判断する枠組みとして一番影響力が大きいのは科学である。私たちが贖罪としてニセ科学に頼り、粗悪コピー的な赦しで手を打とうとするのも無理はない。デタラメ科学はたいていそうだが、「デトックス」というインチキも私たちに押しつけられているわけではない。これは文化が生んだ現象であり、くり返し現れるテーマのひとつであり、自分が進んで行なっているものなのだ。

 んー、腑におちたような、そうでもないようなw 「贖罪」というキーワードは、外国はともかく日本人の意識にはあんまりないような気がしますね。
 でもまあ、病気や怪我、心の病、その他私たちを取り巻く様々な不幸から劇的に、しかもお手軽に逃れたい、というのは分かるような気がします。脂っこいものを食べちゃったけど、黒ウー◯ン茶飲んだから大丈夫! みたいな。

 世の中には努力や工夫でどうにかなるコトと、どうにもならないコトがあります。
 どうにもならないコトをどうにかしてしまえるように錯覚させるのがニセ科学ですが、それだけなら(私自身は受け入れないにしても)ヒトがそれに頼ることを容認できる状況もありうるように思います。
 ただニセ科学は、どうにかなるコトをどうにもならないコトのように錯覚させる要素が分かち難くあって、そちらはどうしたって許容できっこないんですよねえ。


<注釈>

※1
 ふつうのフットバスは、リラックス効果だとか、多少代謝を高める程度のことはあってもおかしくないかな。でも、デトックスは・・・(^-^;

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