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2011年8月

読書感想_毒と私(3)

 前回の続きです。今日のエントリはただのオモイ、ヒトリゴトです。

<過去のエントリ>

読書感想_毒と私

読書感想_毒と私(2)


<赤ちゃんを亡くしたお母さんに、著者がとった行動>

(p.4より引用)

私は、もし、原告の母親がホメオパシーに抱いている本当のお気持ちを語っていただけるなら、ホメオパシーの名誉を回復することができるのではないかと考えていました。というのは、彼女は3年間ホメオパシーを使っていらっしゃったと聞いており、ホメオパシーの良さを知っているはずだと信じるからです。
(中略)
もし「ホメオパシーで長女死亡」という『朝日新聞』の見出しに対して、「ホメオパシーで死んだのではない」と彼女が真実を述べてくれるのであれば、ホメオパシーが救われるのではないか、そして、日本でホメオパシーを行うホメオパスたちにも、大きな希望が湧いてくるのではないかと考えました。
(中略)
私は母親宛に手紙を出しました。残念なことに、いまだお返事はいただけていません。
(中略)
現在のところ、残されたのは、ホメオパシーに対するバッシングと偏見の目だけです。自己治癒力を使って病める人が良くなっていくことを願う私たちの活動に、この事件は大きな障害をもたらしました。

 手紙を受け取った時に、お母さんがどんな思いを抱くのかを、もうちょっと考えて欲しかったな、と思います。
 子供を亡くされたお母さんに「子供はホメオパシーで死んだのではないと言ってくれ」とお願いする手紙とはいかなる文面のものなのか、想像すらできません。顔を付き合わせての説得ならともかく(それでも元々よほどの信頼関係がなければ難しいと思いますが)、手紙で要求して、ホントに通じると思ったのでしょうか。

 立場を逆にして考えてみると、分かりやすいと思います。
 ホメオパシーを信頼なさっているかたのなかには「現代医療」でお子さんをを亡くされたかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
 そのかたが「『現代医療』のせいだ」と思っているか否かにかかわらず、「子供を死なせた」病院の院長から「『現代医療』で死んだのではないと言ってくれ」という手紙を受け取ったら、どんなお気持ちになるでしょう。
 正直なトコロ「お返事はいただけ」ないどころか、読まずに捨てられてしまっていてもおかしくないと思います。

 もっと相手のココロを尊重してほしいな。ホメオパシーの一大事の前では些細なコトなのかも知んないけど。

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読書感想_毒と私(2)

前回の続きです。

<過去のエントリ>

読書感想_毒と私

<ビタミンK2の副作用?>
 前回も引用した部分ですが、

(p.2より引用)

 2010年9月、この事件を受け他日本小児科学会は、新生児の脳出血などを予防するためのビタミンK投与について、「生後1ヶ月までに3回」とするそれまでの指針を、「生後3ヶ月まで毎週1回」と、投与期間の延長と回数を大幅に増やす改定を行いました。
(中略)
 その後、日本小児科学会は、ビタミンK2の投与について、2011年1月19日付で会員用ページに修正版を出し、明確な理由を明示しないまま、旧来の投与法に戻しました。
 なぜ、日本小児科学会は、改定したばかりの新しい投与法を突然取り下げ、旧来の投与法に戻したのか? これはあくまでも私の推測ですが、新しい投与法に伴い、ビタミンKの副作用(たとえば核黄疸「新生児黄疸の重症型」など)が出た可能性が疑われます。そうでもない限り、あの状況で旧来の投与法に戻すことは考えにくいからです。

 この「日本小児科学会が投与方法を旧来の方法に戻した理由は、ビタミンKの副作用があったから」という推測の妥当性を見ていきたいと思います。

 なお、ビタミンKに副作用があろうがなかろうが、件の助産師の行為(ビタミンK不投与事件)の正否にはなんら影響しないことは強調しておきます。

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読書感想_毒と私

 本を読みました。由井寅子さん著「毒と私」幻冬舎
 日本ホメオパシー医学協会の代表のかたがお書きになった本です。

 帯のアオリはこうです。

山口県乳児死亡事件をきっかけに「ホメオパシー」は、いつしか“悪質療法”に変えられたー
なぜ真相は葬られたのか?
日本にホメオパシーを広めたカリスマがいま、日本の闇を明らかにする!

 なお、「山口県乳児死亡事件」についてはsukeptic's wikiでまとめられています。

ビタミンK不投与事件

 ホメオパシーがカッコ付けになっていることや、「日本の闇を明らかにする!」という表現が、とっても示唆的だと思いました。おそらくアオリを考えたかたの意図とは逆方向で。
 私たち自身の努力で、日本の闇を少しずつでもなくしていきたいですね。

 さて、本を読んでほんのちょっぴり疑問を感じたので、書いてみます。

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読書感想_リスクにあなたは騙される ー「恐怖」を操る論理

 本を読みました。たまった本を連休で消化、というのが最近パターン化しつつあります(^-^;

リスクにあなたは騙される − 「恐怖」を操る論理
(原題: RISK The Science and Politics of Fear)

  翻訳のせいか、原文がそうなのか、全体に文章がかたく、回りくどく、ややわかりづらいです(^-^;
 ただ、それを差し引いて余りある示唆と教訓に富んでいて、とっても参考になりました。

 ちょっと前(2009年発行)の本ですので、ネット上の書評も充実しています(邦題で検索してみてください)。
 私は私の感想を。

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あまりにひどい

とにかくとりあえずリンク。

助産院は安全?
さま

山口VK2ご遺族からのメッセージ


kikulog
さまでもすでに関連エントリが。

助産院のビタミンK2レメディ問題、つづき

 ホメオパシーを愛好なさっているかたたちは、一部のホメオパス、ホメオパシー団体の破廉恥なおこないに対して、ナニも感じないのでしょうか。
 「ホメオパシー」という名前だけが大事で、中身なんてどうでもいいの?

 自分たちの立場をおとしめる「ニセホメオパシー」の存在に対して、自分たちこそが本物の「ホメオパシー」の実践者だと思っているヒトたちは、もっと断固たる行動をとるべきです。
 第三者に対して、ホメオパシーの正しさをなんにもアピールできてないじゃん。そんなんで私たちに、ホメオパシーの、いったいナニを認めろっていうの?

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体験談を信じちゃうキモチを考えてみた

 今日のエントリはとりとめも結論もありません(^-^;

 科学/ニセ科学界隈を眺めていると、次のようなコトバをよく目にします。

 「体験談は効果があることの証明にはならない」

 これ、私は最初に聞いたときにスッと腑におちて、とても分かりやすいと思ったのだけれど、あんまり世間一般の共通理解になってはいないですよね。
 体験談のなにがいけないの?、だってこれ、事実でしょ?みたいな。

 じっさい、体験談はとっても魅力的。自分の興味あるコト、もうちょっと何とかしたいと思ってるコト、コンプレックスに関係するコトなんかでは特に。
 「効果は科学的に証明されていない」って言われてもなお、「それでも、もしかして」って思っちゃいます。そう思っちゃう自分のココロをよくよく眺めてみると、以下の2つの思いがありそう。

1.ミンナには効かないかも知れない。でも実は、ごく一部のヒトたちにだけ劇的な効果があるのを、「科学」は見逃しちゃってるのではないか。そして自分ももしかしたら、ごく一部に当てはまるのではないか。

2.実験レベルで、クスリを服用するみたいに使ったんでは効果はないのかも知れない。でも、普通の生活の中で利用するモノなんだから日常的に食べているモノや、生活の中の何気ない習慣みたいなものとの組み合わせで効果を発揮することもあるのではないか。そして実験する科学者たちはその要素を見逃してしまっているのではないか。

 そして、体験談の存在こそがこのような考え方を裏付けているのではないか、と感じちゃうんですよね。

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