読書感想_毒と私(10)
前回の続きです。
今日からいよいよ、本編突入ですねっ!
・・・っと、その前にひとつお知らせ。「毒と私」の読書感想は、今回が最終回です(爆)
<過去のエントリ>
<著者の反省半生について書かれている本編>
本編の目次はこんな感じです。
第1章 苦しみをのみ込むな!
第2章 自分を解放しろ!
第3章 気づけ!すべてがゆがんでいる!
第4章 目覚めよ! 事なかれ主義の日本人たち!
第5章 愛に生きろ!
ビックリマークがお好きなんですねっ! ・・・そういえば最近、ジャンプ読んでないなあ。
以下、章別にカンタンにご紹介。
第1章 苦しみをのみ込むな!
著者の生い立ちからホメオパシーに出会うまで。
(p.60より引用)
潰瘍性大腸炎に苦しみだしてから2年後、私が35歳の頃です。できる治療はすべて試して、もうにっちもさっちもいかなくなっていたときです。夜も眠れずしばしば幽体離脱の感覚を味わい、眠っている自分を上から眺める幻覚を見ていた私は「もうそろそろ死ぬかも」と考えるようになりました。
潰瘍性大腸炎は今では治療の効果も高くなり、致死性の病気というコトはないそうですが、むかしは、重度の場合は死亡率もそれなりに高かったみたいですね。
ただ、描写からして医者から死ぬと言われたわけでもなく、自宅で過ごしているようですので、
これまで報道で多くの死者を見てきた自分が、とうとう死ぬ側に回るときがきたのです。
っていうのは、ちょっと先走り過ぎのような印象を受けます。まあ辛かったんでしょうけど。
第2章 自分を解放しろ!
ホメオパシーを学んでから、日本に帰ってくるまで。
(p.89より引用)
私はじっくりと、自分の使命を考えました。
(中略)
ひょっとしたら、日本にホメオパシーを伝えることが、神様が私に与えた使命なのではないだろうか。第一、私は死にかけているときにホメオパシーを神様に教えてもらい再度命をもらったのだから、今度は私が恩返しする番だ。
そうだ! 日本に帰ろう。ついに私は決心しました。
いつの間にか、死にかけたことがガチになってますねえ。ともあれ、神様はホメオパシーの普及をいたく望んでおられる、というコトのようです。
第3章 気づけ!すべてがゆがんでいる!
ビタミンK不投与事件を含め、報道内容に対する反論。
(p.109より引用)
7月31日、『朝日新聞』は「問われる真偽 ホメオパシー療法」とタイトルのついた「Be report」を配信しました。
(中略)
リードでは次のように概要が記されています。「気が遠くなるほど薄めた「毒」を飲むことで病気を治す、という欧州生まれの代替医療ホメオパシーが(後略)
これが「はじめに」で書かれていた「ホメオパシーに張られたレッテル」ということですね。本当にレッテルを貼っているかどうか、ぜひ原文で確かめてみてください。
元記事はむしろレメディに毒は残っていないって、はっきり書いてありますよねえ。
私はこの記事を読んだヒトが「ホメオパシー(レメディ)は毒である」と認識することはなく、現在の日本でのホメオパシーの問題点は別にある、と容易に認識できると思います。記事中に、すごく端的にまとめられていますよね。
(上記リンク先より引用)
ニセ科学に詳しい大阪大学の菊池誠教授は「分子が1個も残らないほど希釈するのだから、レメディは単なる砂糖粒」とした上で「最大の問題は、現代医学を否定し、患者を病院から遠ざける点にある」と指摘する。
まあそれでも、
(p.110より引用)
ホメオパシーへのマイナスイメージを喚起しようとする意図がうかがえます。
と感じる、というのは、すごくよく理解できます。「副作用がっ!」だとか「ワクチンに含まれる水銀(チメロサール)がっ!」とか、マイナスイメージを喚起しようとして、医療に対して常習的に使われている手口ですもんねえ。
第4章 目覚めよ! 事なかれ主義の日本人たち!
ワクチンの害について書かれている章。ちょい陰謀論風味。どのへんが陰謀論風味かというと・・・
(p.195より引用)
(前略)ホメオパシーへのバッシングが、マスコミとネットを使って行われました。その裏にどんな存在があるのか、私は知るよしもありません。ただ、ホメオパシーが広がると困る人たちがいるだろうことは想像できます。
あと、戦後のアメリカによる洗脳政策、とか。
この章の内容も、いろいろ思うところはありますが、今回の読書感想を書くきっかけとなったビタミンK不投与事件との関連は薄いので割愛します。
第5章 愛に生きろ!
ココロの健康だとか、自分で自分を愛せとか、感情を抑圧するなとか、魂とか、前世・カルマとか、生まれ変わりとか、インナーチャイルドだとか。
自己愛の部分以外は、あんまり章題とは関係ないみたいです。
この章は著者の思想が凝縮されていて、どういう考え方をしているのかが分かります。・・・いやスミマセンやっぱ分かんないです。カルマて。
思想の部分も言及は避けておきます。うーん、そうですね、アルミホイルを噛みしめた時のような読後感だった、とだけ書いておきます。
ふう、長らく続けてきた読書感想もこれで終わりです。って、「風呂敷を広げすぎて畳めなかった打ち切りマンガみたい」とか言うなーーーっ!!
正直、自分語りを読むのは苦痛だし、感想を書くのも遠慮したいのです(^-^; でも、「事件」に関する部分にはあらかた言及したと思います。
まあなんだ、ホメオパシーが一番大事っ、私が一番大事っ、って気持ちがよく伝わってくる本でした。
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