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ニセ科学と非科学の違いについて書き散らしてみる

 ごぶさたしてます。
 さいきん仕事がテンパり気味で、しばらく更新できなさそう。今日も、ちょっとしたメモ書きです。表題のとおり、書き散らしてますので、わかりづらかったらごめんなさい(^-^;

 さて、ニセ科学批判に関する情報に接していると、どうしてもニセ科学と非科学をごっちゃにした話がしばしば出てきます。
 「あいつら、何でもかんでも科学が一番だと思いやがって」とか、ぜったい思われてそう。

 非科学に対する考え方、価値の置き方は人それぞれなんだろうけど、少なくとも私は非科学を選択することそれ自体を否定はしません。でも、ニセ科学は否定する。
 ニセ科学を選択すること、それ自体は最終的に忸怩たる思いで認めるにしても、ニセ科学そのもの、また、他人に勧めたり、関連商品を売ったりする行為を批判することに躊躇いはありません。

 非科学とニセ科学は意味が異なっています。
 非科学は「科学ではないもの」
 ニセ科学は「科学ではないのに科学を装っているもの」
 私はニセ科学の「装っている」部分、あるいは少なくともヒトを勘違いさせてしまう部分を問題にしているので、非科学は批判の対象にはならないわけです。

 科学と非科学って、本来共存可能なものですよね。ある一面(定量可能な目標を効果的・効率的に達成するニーズがある局面)では、科学の優位性は明らかですが、その一面以外には、科学は適用不可能です。科学の進歩で非科学がなくなるかというと、そんなことはなくて、非科学は今後も(適用範囲が変わることはあるとしても)社会の中で有用なものとして存在し続けるでしょう。
 じゃあ競合することは一切ないかというとそんなこともなくて(^-^;

 たとえば(これは私が良く使う例ですが)「より健康で長生きできる社会がいい」というコンセンサスがあれば、医療や福利厚生に科学的手法を適用することは支持されます。
 一方「自然のままがいい。平均寿命が30歳以下になっても、生まれた子どもの半数以上が成人する前に死んでしまってもかまわない」という価値観のほうをより多くの人が支持するようになると、医療(の進歩)は意味や意義を失います。当然それに科学を適用することにも意味はなくなります。

 まあそんな極端すぎる例は別にしても、昔の医療はとにかく長生きするため、死なないための方法がしばしば選択され、実施されてきました。
 近年ではQOL(生活の質)が重視されるようになり、両者が対立してしまう場合にQOLの方を優先する人も多くなっていますよね。「健康で長生き」という大枠は変わっていませんが、その内側でどこに重点をおくかという点で、価値観は変遷してきているわけです。

 輸血を拒否する宗教と医療との間でも、しばしば問題が報じられていましたよね。これはある種の価値観が「健康で長生き」という価値観よりも重視されるために起こる衝突と言えます。
 いまは社会のなかで輸血は医療における重要な手段のひとつとなっているわけですが、もし輸血を拒否するような価値観が主流になれば、あるいは少なくとも増加すれば、輸血の重要性は失われるか、低くなっていくでしょう。

 科学と非科学の競合は起こりうるんだけど、その場合、非科学を支持するヒトたちは、科学を支持するヒトたちとは異なる価値観でもって、非科学を支持するわけですね。社会の中で互いの価値観が競合する(どちらか一方を選択しなければならない)場合にのみ、科学と非科学は対立します。

 んじゃあ、ニセ科学はどうかというと。

 非科学とはことなるニセ科学の大きな特徴は、それを受け入れるヒトたちの持っている価値観が、科学を支持する人たちのソレと変わらないところ。みんな健康になりたくて、長生きしたくて、全力で自分の健康や寿命を削り続けたりしています。

 科学とニセ科学との間に価値観の競合は発生しませんから、手法としてどちらが優れているか、という観点での競合になります。
 しかしニセ科学の、目的を達成する手段としての能力はスッカスカですから、そこでだましが入る。自分の能力を不当に高く見せるためのだましと、科学の能力を不当に低く見せるためのだましです。ニセ科学が科学で対応可能な範囲での価値を謳っている限り、だましの部分がなくなることはありません。

 これらのだましが社会に与えるダメージについてはトップエントリに書いてあるとおりですから省略しますが、信じた人たちを、その人たちが求めるモノからむしろ遠ざけてしまうという点で許容しがたい存在ですし、個人の自由や責任で済ませてしまえる問題ではありません。
 だましておいて自己責任って、それはナシでしょ、ってハナシ。

 非科学は少なくとも、そのヒトが求めているとおりのものを与えてくれる存在ではありますよね。ニセ科学とはぜんぜん別のものなんです。

 以上、非科学とニセ科学の違いを「価値観」を軸に書いてみました。

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