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電子レンジ有害論(4)_有害論の元ネタを確認してみた_Lita Lee博士のゆってること

<前回までのエントリ>
電子レンジ有害論(1)_まずは電子レンジの仕組みから調べてみた

電子レンジ有害論(2)_電子レンジのナニが有害だと言っているのか

電子レンジ有害論(3)_有害論の元ネタを確認してみた_Hans Hertel氏のゆってること

 前回に引き続き、有害論の元ネタを調べました。
 今回はLita Lee博士のゆってることを見ていきます。

 さて、ではあのランセット誌に掲載されたというLita Lee博士の論文をご紹介・・・と思ったのですが、残念ながら発見できませんでした。1989年のランセット論文を調べても出てきません・・・年代を絞らずに「Lita Lee」で調べてみても不発。
 海外のサイトで論文名として紹介されていた「Health Effects of Microwave Radiation」で調べるとようやくヒットしたのだけれど。

<リンク11>
Health Effects of Microwave Radiation

 学術論文ではないみたい(^-^;
 もういっこ、こんなのも見つけましたが、細部が異なるだけで、主張は同じ。

<リンク12>
Microwaves And Microwave Ovens By Lita Lee, Ph.D.
 

 まあ、少なくともLita Lee博士の名前で書かれていますので、コレらの文章を見ていってみましょう。今回はエキサイト翻訳のチカラを借りながらガンバってみた(^-^; けど、日本語訳を読む際は、ご注意ください。

(1) かなり意訳しています。
(2) 医学その他の知識がない中で翻訳しています。
(3) 以上の理由により、ニュアンスが変わってしまっていたり、誤訳してしまっているところがあるかも知れません。

 いちおう、単語を逐一確認しながら訳したんですが・・・ 原文も引用していますので、そちらを確認しながら読んでいただければ。

CARCINOGENIC SUBSTANCES IN MICROWAVED FOOD

The following is a summary of the Russian investigations published by the Atlantis Raising Educational Center in Portland Oregon.
Carcinogens were formed in virtually all foods tested. No test food was subjected to more microwaving than necessary to accomplish the purpose, e.g., cooking or thawing or heating to insure sanitary ingestion. Here's a summary of some of the results:

a.. Microwaving prepared meats sufficiently to insure sanitary ingestion caused formation of d-Nitrosodienthanolamines, a well known carcinogen.
b.. Microwaving milk and cereal grains converted certain of their amino acids into carcinogens.
c.. Thawing frozen fruits converted their glucoside- and galactoside- containing fractions into carcinogenic substances.
d.. Extremely short exposure of raw, cooked or frozen vegetables converted their plant alkaloids into carcinogens.
e.. Carcinogenic free radicals were formed in microwaved plants, especially root vegetables.

電子レンジで調理された食品中の発がん物質
以下の文章は、オレゴン州ポートランドのAtlantis Raising Educational Centerによって公表された、ロシアで行われた調査のまとめである。
テストされたほぼすべての食品において、発がん性物質が生成された。テストに用いた食品は、目的(例えば調理、解凍又は衛生上の目的など)を達成する上で必要とされるよりも多くのマイクロ波にさらされたわけではなかった。結果に関するいくつかの要約は次のとおりである。

a.衛生的な摂取を確保するために肉を電子レンジで調理したところ、D-ニトロソジエタノールアミン(よく知られている発がん性物質)が生成された。
b.電子レンジで調理された牛乳や穀物が含有するアミノ酸の一部は発ガン性物質に変換された。
c.冷凍された果物の解凍では、グルコシドとガラクトシドを含有する成分が発がん性物質に変換された。
d.生の野菜や、調理された、または冷凍された野菜は、ごく短時間の暴露によって含有する植物アルカロイドが発がん性物質に変換された。
e.電子レンジで処理された植物、特に根菜類では発がん性フリーラジカルが形成された。

 おおよそ考えられる電子レンジの使用で、おしなべて発がん性物質が生成する、という主張ですね。

To this list, I will add results reported in the December 9, 1989, Lancet which were discussed in the March, 1991, Earthletter. Microwaving baby formulas converted certain trans-amino acids into their synthetic cis-isomers. synthetic isomers, whether cis-amino acids or trans-fatty acids, are not biologically active. Further, one of the amino acids, L-proline, was converted to its d-isomer, which is known to be neurotoxic (nervous system) and nephrotoxic (kidneys). It's bad enough that many babies are not nursed, Now they are given faked milk (baby formula) made even more toxic via microwaving.

このリストに、私は、1991年3月にEarthletterで議論された、1989年12月9日のランセットで報告された結果をつけ加えることとする。乳児用粉ミルクの電子レンジによる調理は、特定のトランス・アミノ酸をシス異性体へと変換した。シス・アミノ酸にせよトラ ンス脂肪酸にせよ、合成異性体は生理活性を持たない。さらにアミノ酸の一種であるL-プロリンは、d-異性体(※1)へと変換された。プロリンのd-異性 体は神経毒性(神経系)及び腎毒性(腎臓)を有することが知られている。多くの赤ん坊が授乳を享受していないだけでも十分悪いことだが、彼らは更に、電子 レンジを使うことによってより有毒になった、偽物のミルク(乳児用粉ミルク)を与えられるのである。

 こわい!! 電子レンジで粉ミルクをあっためるのはやめなくっちゃ!
 ひとつ上の段落では、牛乳に含まれるアミノ酸の発がん性物質への変性も紹介されているので、粉ミルクの加熱はダブルパンチ、ということになるのかな。

DECREASE IN NUTRITIVE VALUE OF MICROWAVED FOODS
Russian researchers reported a marked acceleration of structural degradation leading to a decreased food value of 60 to 90% in all foods tested. Among the changes observed were:

a.. Deceased bioavailability of vitamin B complex, vitamin C, vitamin E, essential minerals and lipotropics factors in all food tested.


b.. Various kinds of damaged to many plant substances, such as alkaloids, glucosides, galactosides and nitrilosides.

c.. The degradation of mucleoproteins in meats.

電子レンジで調理された食糧の栄養価の減少
ロシアの研究者は、テストしたすべての食品において構造劣化が著しく促進され、60〜90パーセントに及ぶ栄養価の減少につながることを報告した。以下のような変化が確認されている:
a. テストされたすべての食物におけるビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、必須ミネラル及び抗脂肝因子の、生物学的利用能の減少。
b. 多くの植物物質(例えばアルカロイド、グルコシド、ガラクトシドとニトリロシド(※2))が被る様々な種類の損傷。
c. 肉の核タンパク質の分解

 発がん性物質ができるわ、栄養はなくなるわ、散々ですね。

There are many chemicals that can be used in heat-susceptor packages, all approved of by the FDA (whew, I was worried!). What was not recognized, however, was that susceptors can reach temperatures of 300 to 500 degrees F. in the microwave. When they do, the chemicals in the plastic migrate from the susceptors into
your food. the FDA tested susceptors packages in 1988. Every package tested released chemicals into the food. Among these were PET (polyethylene terpthalate, a petroleum derived product), and other known or suspected carcinogens, such as benzene, toluene and xylene.

ヒートーサセプター容器(電子レンジ用の加熱容器)として、多くの化学物質が使用可能で、それらはすべてFDAによって認可されている。しかし、知ら れていないのは、サセプターは電子レンジのなかで華氏300~500度(148.9〜260℃)に達する可能性があるということである。その場合、プラスチックの中の化学物質が、サセプターから食物へと移行する。FDAは、1988年にサセプター・パッケージをテストした。テストされたすべてのパッケージ が、食物に化学物質を放出した。その中には、PET(ポリエチレンテレフタレート、石油製品)のほか、ベンゼン、トルエン、キシレンなど、発がん物質として知られている、あるいは疑われている物質が含まれていた。

 食品の変性ではないけれど、容器から毒物が移行することの危険性の指摘。

(中略)

PATHOGENIC CHANGES OBSERVED IN CONSUMERS OF MICROWAVED FOOD
Changes are observed in the blood chemistries and the rates of certain diseases among consumers of microwaved foods. the following is a sample of these changes.
a.. Lymphatic disorders were observed, leading to decreased ability to prevent certain types of cancers.
b.. An increased rate of cancer cell formation was observed in the blood
c.. Increased rates of stomach and intestinal cancers were observed.
d.. Higher rates of digestive disorders and a grandual breakdown of
the systems of elimination were observed.

電子レンジ利用者に見られる病気の発症に関する変化
電子レンジで調理された食品の消費者の間で血液化学検査や特定の病気の罹患率の変化が確認されている。例えば以下のような変化である。
a. 特定の種類のガンを防ぐ能力の低下につながるリンパ系の疾患
b. 血液中のガン細胞の形成率の増加
c. 胃及び腸の癌の罹患率の増加
d. 高率の消化器系疾患と排除のシステムの段階的な衰え(※3)

(中略)

In Robert O. Becker's book, mentioned above, he described research of the Russians on the health effects of microwave radiation which they called microwave sickness. He said (page 314) "its first signs are low blood pressure and slow pulse. the later and most common manifestations are chronic excitation of the sympathetic nervous system (stress syndrome) and high blood pressure. This phase also often includes headache, dizziness, eyepain, sleeplessness, irritability, anxiety, stomach pain, nervous tension, inability to
concentrate, hair loss, plus an increased incidence of appendicitis, cataracts, reproductive problems, and cancer. The chronic symptoms are eventually succeeded by crisis of adrenal exhaustion and ischemic heart disease (blockage of coronary arteries and
heart attach)."
上記のロバート・O・ベッカーの本で彼は、マイクロ波病と称される、マイクロ波放射の健康への影響に関するロシア人の研究を解説している。その中で彼は「その最初の兆候は、低血圧と脈拍の低下である。その後の、最も一般的な症状は、交感神経系(ストレス症候群)の慢性的な興奮と高血圧である。この時期にはまた、頭痛、めまい、眼痛、不眠、過敏症、不安、胃痛、神経質な緊張、集中力の低下、脱毛、さらに虫垂炎、白内障、生殖の問題及びガンの、発病率の増加がしばしば見られる。これらの慢性症状は、最終的に副腎疲労と 虚血性心疾患(冠状動脈閉塞や心臓発作)の危機へと続いていく。」と書いている(314ページ)。

 ありとあらゆる症状は電子レンジから! やっぱりなじみぶかい展開に。

 ・・・ふう(^-^; こんなにたくさん翻訳したのは高校以来かも。
 原文の方はこのあと、電子レンジの枠を越えて、一般の電磁波有害論が展開されていくんですが、興味の有るかたはリンク先でご確認ください。

 実にたくさん書いてありましたが、内容を箇条書きでまとめると・・・

(1)様々な発がん性物質(D-ニトロソジエタノールアミン、アミノ酸の変性物、グルコシド及びガラクトシドを含む化合物の変性物、アルカロイド変性物、フリーラジカルなど)の生成
(2)トランスアミノ酸のシス異性体への変性、特に、L-プロリンのd−プロリン(神経毒・腎臓毒)への変性
(3)60〜90%の栄養価の減少
(3)-1 ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ミネラル及びリポトロピック・ファクターの、生物学的利用能(Bioavailability)の減少
(3)−2 アルカロイド、グルコシド、ガラクトシドおよびニトリロシド(※2)などの多くの植物の成分が被る様々な種類の損傷
(3)−3 肉の核タンパク質の分解
(4)電子レンジ加熱用容器(サセプタ)から食品への化学物質の移行。PET、ベンゼン、トルエン及びキシレンなど。
(5)電子レンジで調理された食品を摂取することによる、血液化学、及び特定の疾病の罹患率に見られる変化
(5)-1 特定の種類のガンを防ぐ能力の低下につながるリンパ系疾患
(5)-2 血液中のがん細胞形成の増加
(5)-3 胃および腸のがんの増加
(5)-4 消化器系疾患の高い割合での発生及び 排除のシステムの段階的な衰え(※3)。
(6) その他の電磁波障害(初期的な低血圧及び低脈拍数、その後の交感神経系異常及び高血圧、それらに伴う頭痛、めまい、目の痛み、不眠、イライラ、不安、胃 痛、神経的な緊張、集中の低下、脱毛。またさらに、虫垂炎、白内障、生殖異常及びガンの発病率の増加。最終的には慢性的な副腎疲労及び虚血性心疾患の危険)

 先に紹介したHans Hertel氏の主張と併せて、どうでしょう、電子レンジ有害論の主張がほぼ網羅されているんじゃないかと思います。

 さて、最初に論文は見つからなかったと書いたんですが、実はこんなのが引っかかりました。

<リンク13>
Aminoacid isomerisation and microwave exposure.

 Lita Lee博士の名前は出てこないんですが内容的には合致しているように見えます。あちらこちらで断片的に紹介されている出版年やページの位置も一致。
 一応、この論文が基になっていると前提して、次回以降、Hans Hertel氏の主張、Lita Lee博士の主張、そしてこの論文の内容の妥当性について、確認していきたいと思います。

 いよいよ本番! ・・・なのですが(^-^; 仕事の関係で、ちょっと間が開いてしまうと思います。
 ごめんち。


<注釈>

※1
 異性体の表記でL-と、d−という風に、片方が大文字で片方が小文字なのは間違いかと思ったのですが、私のしらない意味が込められているかも知れませんので、そのまま翻訳しました。

※2
 「ニトリロシド」というものを聞いたことがなかったのでググってみたのですが、多くの電子レンジ有害論のサイトがヒット しました。いくつか見てみると、今回ご紹介した内容とほぼ同じ。ほとんどのページで出典が書かれていなかったんですが、おそらくLita Lee博士の文章が引用元なのでしょう。
 んで、結局「ニトリロシド」がなんなのか分からなかったので(^-^; 原文の「nitriloside」で検索すると「Vitamin B17」と書かれていました。けど、今度は「ビタミンB17」で検索してみると出てくるのは「アミグダリン」w わかんね。
 正式名称ではなく、慣用名かナニかなのかな。英語のページもガンの代替療法っぽいのが続々ヒット。
 「アミグダリン」で検索してみると・・・うーん (;;;´Д`)

 まあ、日本のサイトで、マイナーな「ニトリロシド」の表現が出てきたら、Lita Lee博士が元ネタだ、くらいの目印にはなるかも知れません。

※3
 この文章は意味が掴みきれませんでした。胃腸障害からの回復(寛解)のことを言っているのかなあ。「回復能力の衰え」くらいの訳が妥当なのかも。

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