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「希釈度…たったの5か…ゴミめ…」

 久しぶりにホメオパシーのコト。と言っても新しい何かがあったということではなくて、ちらっと疑問に思ったことをメモ書き。
 誰でも思いつく疑問なので、どこかに回答があると思うのだけど、見つけられていません。ま、心から知りたいわけでもないので、時間をかけて調べてはいないけど。

 さて、薄めれば薄めるほど効果が増すと喧伝されているホメオパシー。じゃあ、なんでもっともっと希釈しないのでしょう。
 単純なハナシ、例えば30Cのレメディを作ったとします。そこで販売にまわしたとしても、1/100だけ残しておけば、そこから希釈を続けていけばよいので、なにもわざわざ原料から作り始める必要はありません。いくらでも続けられるんだし、いくらでも増やしていけるんだし、いくらでも効果を増していけるんですから。
 じゃあなんで、30Cどまりなの?

 30Cのレメディを作るにはどのくらいの時間がかかるのかについて、ホメオパシー新聞に記述がありました。

2012年3月1日づけの記事 考察:レメディーは本当にぼったくりなのか。

そして、肝となる希釈振盪のプロセスに多大な労力がかかることは容易に想像できるだろう。希釈振盪のやり方については書籍などにも詳しく記載されているのでご存じだとは思うが、一般的な希釈率30c(1/100希釈を30回繰り返す)の場合、まず、加熱殺菌した容器・ピペットを30セット類用意しなければならない。99ccの純水を入れた容器に1ccの母液(希釈前のマザーチンクチャー)を加え手作業で振盪(叩く)作業を行う。製造メーカーによって10回~50回程度とばらつきがあるが、丁寧に手作業で振盪を行う。それが終わったら、ピペットで1ccを取り出し、次の純水99ccが入った容器に加え、それをまた振盪し、という作業を30回繰り返す。これだけで2時間以上はかかるらしい。30cだけならまだよいが、200cや1M(=1000c)、10M(=10000c)等という希釈率も存在する。200cを30cの作業時間から推測すると、1日以上時間がかかるだろう。さらに高希釈の1Mや10Mとなってくると手作業では難しい領域になってくる。外国の製造メーカーでは、ポーテンタイゼーションマシンを用いて、希釈振盪を完全自動化させているところもあるようだが、10Mなどの希釈率になると、機械でも1週間以上連続運転必要とのことだ。したがって、液体のレメディーを製造するには相当の労力がかかっており、それら人件費の加味は当然必要となってくる。

また、原物質が鉱物などでアルコール抽出できない場合は、摩砕(トリチュレーション)という作業、すなわち乳糖の中に原物質を1:100の割合で加えて粉砕・攪拌する作業を行うが、これは1/100に薄める一工程で数時間かかる。通常3cまでトリチュレーションを行いその後は希釈振盪を行うが、トリチュレーションを伴う30cまでの希釈については、希釈振盪のみを行う場合よりも4倍以上の時間を要することになる。

そして、その希釈振盪を行った液体をレメディーにしみこませるための作業も必要であるが、これも、砂糖玉に均一に行き渡らせるためにはそれなりの技術が必要のようで、攪拌しながら十分に染み渡るまでの作業に数日の時間を要するという。

 伝聞形式で書かれているのが気になりますが、まあこの記述を信頼するとして、2時間かかるとされています。砂糖玉を作る工程は、希釈工程とは切り離して考えてもいいでしょう。また、「トリチュレーション」も、今回の疑問に際しては無視してかまわない工程です。
  希釈に2時間というのは(商売のために効率的に生産しているとしても)私が想像していたよりはるかに早いです。2時間で30Cということは、1回の希釈・振盪に、小分けや容器移し替えの時間を含めて、4分間しかかけていないことになっちゃいます。私は、なんというか「儀式」(^-^; みたいなものに、あるいは振盪それ自体に、もっと時間をかけるのかと思っていました。

 ちなみに引用文は、レメディが高価であることの説明として書かれているものですが、4分ごとに100倍量にしていけることを考えれば、むしろ安いこと(安くなければならないこと)の説明になりそうです。100ccからスタートして、30回100倍にすれば、その後同じものをいっさい作らなくてもいいくらい大量のレメディが、わずか2時間で手に入ってしまうのですから(※1)。

 それはさておき、2時間で30Cが出来るのであれば、1日8時間続ければ120Cになる・・・と言いたいところだけど、実際の工程ではロスが発生するので、60Cにしておきます。ちょっと甘めの計算ですが。
 年間(こちらも甘めに)200日稼働として、1年間ひとつの原材料から希釈を続けると、12000Cができあがります。しかも、毎日あらたに30Cを作りなおすよりも少ないコストで。
 たとえばホメオパシー製造会社のBoironは1932年創設らしいので、少なくとも当時から存在する伝統的なレメディは960000C以上となっていておかしくありません。
 新しいレメディも1年経てば10000C以上。
 なのになぜ、30Cなどというチンケな希釈度の製品が一般的なのでしょうか。

 理由をいくつか想像してみました・・・が、その場で否定できちゃうんだよなあ(^-^;

考えられる理由1_効果が強すぎるのも問題だから

 普通の薬剤であれば、強すぎる効果は様々な問題をひき起こす可能性があるので、一概に好ましいとはいえないんですけど、ホメオパシーに限ってはそれはありえません。
 なにしろホメオパシーは自他共に認める「副作用のない」ものなのですから。いっさいの副作用がないなら、効果は強ければ強いほどいいに決まっています。


考えられる理由2
_希釈・振盪に時間をかけていると、効果が失われていってしまうから

 一般食品に消費期限があるように、「波動」の持続時間にも有効期限があるのでしょうか。でもホメオパシー振興会のページでは

(訳注)ホメオパシーのレメディーは適切な保管をすれば、実質上半永久的に使用出来ると言われておりますが、英国法律上、使用期限の記載が義務付けられているため、レメディーやレメディーボックスに使用期限のラベルが貼られております。
(強調は引用者)

って書かれてるなあ。


考えられる理由3
_実は効果は頭打ちで、30Cを超えてしまうとほとんど変わらない。

 にしても、わざわざイチからやり直す理由にはなりません。続けたってコストは上がらない(むしろ原料分下がる)のですから。


考えられる理由4
_希釈・振盪を繰り返し過ぎると、どんどんデリケートになっていって、ちょっとした事で効果が失われてしまうから

 この理由付けが有力かなあ、と思ったんですが、これも日本ホメオパシー振興会のページでは希釈回数に制限がないような書き方がされていて、やっぱりよくわかんない。

ホ メオパシーのレメディーは、信じられないほど極端に薄められています。ホメオパシーでは、もとの成分 (植物、鉱物、動物などさまざまな原材料) を水や酒精でどんどん薄めてゆきます。 それも、一般的なレメディーですら10 の 60 乗倍、中には10 の 200万乗倍というように天文学的に薄めていくものもあります。

 10 の 200 万乗倍て。
 えーと、100倍希釈だとすると1000000C、ってことは、さっきの計算でいくと約83年ですね。Boiron社が創業当時から守り続ける秘伝のタレレメディかな(^-^;
 いずれにしても、希釈に制限があるようには見えないですね。


ってな感じで、あんましクライアントを納得させられる理由付けが思いつきません。信じている人の中からもこういう疑問は当然出てくるだろうし、どんなふうに答えているんでしょうねえ。

 ・・・って、こんな事ばっか書いてて「連休にそんな事しかすること無いなんて、かわいそうなヤツ」とか言われると返す言葉もないのでw 明日からはトモダチと旅行に行ってきます!
 ではみなさん、よいGWを。


<注釈>

※1
 たぶん「ひとりの作業者が一貫して作業しなければいけない」的な理由付けがされているのかなあ。

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ホメオパシー」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。 ホメオパシー歴1年ですが、不可解に思っていることを、書いてみます。 希釈振盪は、イメージだけであり、実際の希釈振盪の事実はないらしいのです。 撮影の時だけ白衣を着てそれらしく見せているというのです。 砂糖玉は、アルバイトのおばさんを一人雇って、倉庫で袋詰めしているだけだというものです。 ある男性から聞きました。   私は、悩みがあってホメオパシーにすがっていたので、それを聞いた時は、ショックでした。  私は少なくとも希釈過程は事実として存在するだろうと思っていました。  ならば何故、作業工程を公開してみせないのか? お菓子の城で見れるような、片面ガラス張りの作業場を作れば問題ないわけですよね?          由井寅子氏は少し下品だけれど、育った生い立ちを考えれば仕方ないし、 それよりも、女社長として実業家として、すごいなあと思います。
  経営者として、どうやったらお金をもうけることが出来るかに良く頭を使っているなあという感じです。 寅子氏のことは、好きか嫌いかと聞かれれば、 どちらかと言えば好きですね。  話も面白いですしね。  でもそれと、レメディーの製作工程の検証とは、別です。  レメディー工場見学ツアーとか、やって見せてほしいです。  もうひとつ、変だと感じたことに、レメディーのパッケージをリニューアルするから、在庫品をセールというのが、過去にありましたが、薬のように扱ってきたレメディーをパッケージの変更に伴い安く売るなんて、 こんなことは普通の病院が処方する薬では、ありえませんよね?    これも、レメディーを薬のように、 神聖に取り扱ってはいるが、 イメージだけなのだと、印象づけた出来事でした。    さらに不可解なことには、希釈前の原物質は劇薬、毒薬の類があるのに、それをどうやって調達しているのか?という疑問です。   たとえばアコナイトはトリカブトを薄めて作りますが、これは微量で死に到る猛毒です。 一体、一般人がどこからどういう経路で手に入れることができるのか?    アンチモクルーダムは、やはり毒薬アンチモンをどうやって手にいれることが出来るのか?   メドライナムは淋病を引き起こす淋菌を薄めて作りますが、医者でさえ手に入れづらい淋菌を、いかにして手に入れているのか?    やましいことがないならば、 
事実を白日の下にさらせるはずです。   いまだホメオパシーを疑問に思いながらも、使用している人たちの疑問を解いて欲しいです。   それが誠意というものでしょう。      もうひとつの内部告発は、由井氏の経歴詐称です。  私にとっては、これはどうでもいいことだけれど、専門学校をでた話は嘘らしい。  お金がなくて高校卒業も実兄が仕送りを打ち切りそうで危なかったらしいのに、入学金の高い専門学校に行けるわけないわな…。   素直にそう書けばいいのにね。  別に本当のことを書いたって、誰も馬鹿にしないと思うよ。  今の発展がすごいのだから。   経歴を少しでも良く見せたかったのかな?    英語も喋れないってのは、ホントらしい。  コングレスも日本語でやって通訳を付けるし。  単語レベルの英語はわかっても、長いセンテンスをずらずら構築できるレベルではないらしい。    文献を訳したというのも嘘。  人がやったのに、自分の名前をつけただけ。   試しに、由井氏に長文の英語を高速で話しかけて見て下さい。   返事ができないだろうから。    箔をつけたいのだろうけど、嘘は嫌いです。   私、潔癖症なので。

投稿: ミセスチャン | 2012年9月 9日 (日) 11時21分

ミセスチャンさん、こんにちは。

>希釈振盪は、イメージだけであり、実際の希釈振盪の事実はないらしいのです。

 コレはちょっと、ビックリしました。
 私はホメオパシーの効果そのものに懐疑的なので、希釈をしてもしなくてもナニも変わらないという認識なのですが、利用なさっているかたは当然それが重要なプロセスだとお考えのはずで、提供する側がそれを省略して(そしてそれを第三者に知られて)しまうことは、とても大きなリスクだと思うのですが。
 希釈振盪をなくせば確かに多少のコストは浮かせられるかもしれませんが、外部に漏れれば「ホメオパシーは、それを広め販売している人が、そもそもホメオパシーを信じていない」ことの決定的な証拠となってしまいます。

 実は、外国などから「レメディ」を輸入していて、国内では小分けしているだけ、そして男性のかたはそれを見てちょっと勘違いしちゃった、ということはないですか?

 あ、撮影のために普段とはちょっと違う格好をする、というのは、ふつうの会社でもよくあることだと思います(^-^;

>さらに不可解なことには、希釈前の原物質は劇薬、毒薬の類があるのに、それをどうやって調達しているのか?という疑問です。

 北斎の絵や般若心経からもレメディが作られる、ということを知ったときに、私はこの疑問については考えないことにしました(^-^;
「植物/鉱物の写真をビンに貼り付けて」とか「頭の中で思い浮かべながら」「テレビで見ながら」という答えが返ってきても、私はおどろきません。
 でももし本当に有害物質を使用しているとしたら、今度は製品にそれらが混ざってしまうリスクが出てくるわけで、製法や管理の方法についてはたしかに明らかにしておいて欲しいところですよねえ。

投稿: ハブハン | 2012年9月 9日 (日) 20時32分

ホメオパシーは、宗教なのですね。
ブッダのレメディーだって、仏舎利がはいっているわけではない。。


教訓

ホメオパシーは、生き方だ…

投稿: ミセスチャン | 2012年9月 9日 (日) 20時52分

 ホメオパシーによって心の安定を得られているかたも大勢いらっしゃるだろうし、ホメオパシーはカウンセリングの一手法としてなら、有意義なものになり得るのかも知れません。
 通常の医療を忌避したり、確認されていない効果をうたったりすることさえ無くなってくれれば、それを拠り所になさっているかた達の気持ちを害してまで、私なんかがとやかく言うことでもないんですよね。

 でも、「病気の治療(健康)」という実益が得られる(と、思わせる)コトこそが心の安定につながっているんでしょうし、実際に切り分けるのは、無理でしょうねえ。

投稿: ハブハン | 2012年9月 9日 (日) 21時55分

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