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言葉の意味は移り変わるものだけど

朝日新聞デジタルより

「にやける」「うがった見方」本来の意味は…

文化庁は国語世論調査で、例年通り慣用句の使い方も調べた。「にやける」や「失笑する」、「うがった見方」を、本来の言い方で使う人は3割を切るという結果も出た。

<関連画像>

「にやける」=「なよなよしている」
「うがった見方」=「物事の本質を捉えた見方」
「失笑」=「こらえきれずに噴出して笑う」

 うーん、私もおもっきし違う使い方、してましたねえ(^-^;
 たぶん「ニヤニヤする」と混同しちゃってるのかな。語感が似ている別の言葉に引っ張られて誤用してしまうって言うのは、ありそうですよね。

 ちょっと調べてみると・・・

語源由来辞典

にやける

にやけるは、「若気(にやけ)」を動詞化した言葉で、漢字では「若気る」と書く。
(中略)
声を出さずに薄笑いを浮かべる様子を表した「にやにや」「にやつく」などとの類推から「にゃける」が「にやける」になったと思われる。

 もともと「にやつく」と「にやける」は別の言葉だったんですねえ。ほとんど区別して使ってないや(汗)

 記事でも「誤用」という表現は使われていませんが、そもそも言葉って変遷していくものだから、80%以上の人がそう解釈しちゃうんだったら、もう「にやける」=「薄笑いを浮かべる」として扱ったほうがいいんでしょう。通じなきゃ意味ないですもんね。

 言葉はどうしたって変化していくモノですが、その場その場では共通の意味解釈ができる、というコトが重要ですよね。なんたってコミュニケーションの道具なんですから、流行り言葉や2ちゃんねる用語なんかは、TPOに併せて慎重に使わないと、誰にも通じなくて、周りから浮いちゃうばっかりです。まあ、一般のヒトに通じないからこそ使いたくなる、という面もありそうだけど(^-^;
 それでも、日常会話ではあんまり解釈の違いが問題になることはありません。時には誤解や失敗を生むこともあるけれど、多少食い違いがあったって、おおまかに通じれば事足りることがほとんどですよね。雑談してるときに言葉の厳密な意味とか持ち出されると、正直ウザいです(^-^; ニュアンスで通じてんでしょ?

 でも、それじゃダメな場面も、もちろんありますよね。 

 学問や法律の分野では意味が通じなかったり、異なる解釈ができちゃうようじゃまずくて、言葉を発する側も、受け取る側も、キチンと正しい定義で扱わないと、その内容が全く無意味なもの、時には有害なものになってしまいかねません。
 以前ちょろっと法律文を読んだり、会社でISO9001、ISO14001関係のお仕事をしていたこともあるんですが、ああいった厳密さが求められる文章では必ずそれぞれの言葉の定義が記載されています。
 科学書は、私が読むのは啓蒙書レベルですが(^-^; それだって用語の説明にページを割いていますし、きちんとした学術書、論文なんかはなおさらでしょう。

 逆に、言葉の定義が明確でなかったり、その場その場で違う意味で使われていたりすると、もうそれだけで言っていることの、少なくとも科学的な正当性に疑問符をつけるには十分ですよね。

「波動」
「エネルギー」
「マイナスイオン」
その他の、ニセ化学界隈で耳にする、さまざまな独自の用語。

 それらの言葉の定義は、明確にできているんでしょうか。
 そして、10人の人に定義を聞いたら、みんなから同じ答えが帰ってくるんでしょうか。

 残念ながら、そうした疑問が払拭されたことって、無いんですよねえ(※1)(※2)。

<注釈>
※1
 もちろん、例えば唯一絶対のバイブルがあって、みんなが同じことを言う、みたいな状況もあるでしょう。
 ただ定義が明確なら、今度は逆に、その定義からはみ出したことは言えなくなっちゃうわけで、さまざまな主張は自らの持ち出した定義に縛られることになります(そうでなくては定義付ける意味がありません)。
 ニセ科学関連で過去何度か「定義」と称した説明を聞いたことはありますが、それらはあまりに曖昧でなんでも含んでしまうか、主張を展開するときに無視されていってしまうかのどちらかでした。

※2
 定義づけがあいまいだから、その場その場で、自分にとって最も都合のいい解釈をできる、そしてそれを否定する人はいない。だからこそ、信じているとすごく安心なんだろうなあ。
 と言った、アイロニカルな感想を抱くこともあります。

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ニセ科学考」カテゴリの記事

コメント

言葉は奥深いですよね。

投稿: 吉野@ヒーリング研究 | 2012年10月 8日 (月) 01時20分

>吉野さん
 言葉が、というか言葉を使った私たちのコミュニケーションが奥深いのだと思いますが、その奥深さが、言葉をねじまげ悪用するヒトたちの付け込むスキにもなっていて、悩ましいですね。
 科学用語の定義を逸脱し、逸脱した定義から無理スジな論理展開をして、荒唐無稽な結論を引き出すヒトは後を絶ちません。

投稿: ハブハン | 2012年10月 8日 (月) 23時46分

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