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法から逸脱さえしてなければ何でもやっていい訳ではない(と、彼ら自身がゆってます)

 いちおー復帰。まあぼちぼち、ゆるゆるやっていきます。
 んで、ちょっと前のニュースですが。

<イオンドライヤー>家電大手4社、不十分な実験で効果宣伝
毎日新聞 8月23日(木)19時14分配信

 「イオン発生機能付き」をうたう高性能ドライヤーについて、家電大手4社が十分な実験をせずに髪の潤いや保湿の効果があると宣伝していたことが、東京都の調査で分かった。都は景品表示法の不当表示に当たる可能性があるとして、適正な実験をするよう業界団体に要請。4社はカタログや広告の内容などを改める方針だ。

 各社のイオンドライヤーは、電気を帯びた粒子を風と一緒に放出し、水分を髪に吸着しやすくする機能などをうたっている。価格は数千~2万円程度。製造大手のパナソニックによると「乾かすだけでなく、毛髪のケアも一緒にしたい」という消費者のニーズに応えて需要が伸び、11年度に国内で出荷されたドライヤー約580万台のうち約7割を占めるという。

 都生活文化局は1月、国内メーカー4社(パナソニック、シャープ、日立リビングサプライ、東芝ホームアプライアンス)の商品の広告表示を調査。その結果、全社の商品で効果を示す根拠となった実証実験の問題点が見付かった。

 ある商品は、冷風モードで20~30分かけ続けた時のデータを表示。1回5~7分、冬は温風モードを使うのが一般的な使い方とされており、実態に即していなかった。また、3社の商品は被験者が1人だけで、個人差の検証をしていなかった。イオン発生機能がない商品との比較をしていないケースも2社であり、ドライヤーの使用前後のデータだけで頭皮の脂の低減効果を強調するなどしていた。

 都は7月、メーカーや小売店でつくる「全国家庭電気製品公正取引協議会」に、十分な実験結果を得たうえで効果を表示するか、表示を変えるかするよう要請。4社はいずれも取材に対し、要請に従う姿勢を示した。パナソニックは「指摘を真摯(しんし)に受け止め、消費者に誤解がないように改善したい」、シャープは「次の機種から改善する」とコメントしている。

 都取引指導課の松下裕子課長は「メーカーの説明が足りない。誇大表示になっていないか今後も調べる」と話している。【柳澤一男】

 うーん、マイナスイオン、あるいはその後継の○○イオンに関して、その効果がきちんと確認されているのかどうかについてはだーいぶ前から議論されていたんですが、その後も結局、きちんとした効果の検証ができないまま今日に至っている、ってコトでしょうか。
 まあ、髪のツヤだとか、しっとり感だとか、確かに客観的な評価をまとめにくい指標だろうとは思います。でも、消費者の「コレいいっ!」っていう評判をよく聞きますが、その実感がホンモノだったら、確かめられないことはないと思うんですよね(本人に対するアンケートっていう形でも、きちんとブラインドテストの体裁を整えたら、差の有無の確認はできるんじゃないかな)。

 ちなみに、東京都生活文化局の広報はこちら。

イオン機能付きドライヤーの実証試験について
メーカーに改善要請しました

平成24年7月11日 生活文化局

 東京都では、イオン機能付きドライヤーの「うるおい・保湿」等の効能効果をうたう根拠として、実証試験が適切に行われているか、家電メーカー4社を対象に調査を行いました。
 調査の結果、消費者の一般的な使用方法とは乖離した試験条件等による実証試験に基づいて効能効果を表示していたことが判明したため、本日、4社に対し、より適切な実証試験を行うよう改善を要請しました。

※本調査は、あくまで事業者の標榜する効能効果が試験等において適切に実証されているかについて、検証したものです。イオン機能そのものの効能効果について検証したものではありません。

(中略)

2 改善要請を行った実証試験の主な問題点
※詳細は別紙を参照

(1) 消費者の一般的な使用方法とは乖離した試験条件(「冷風モードで20~30分」等)による実証試験であった

⇒ 消費者が実際に使用した際に得られる効能効果と比べ、誇大な表示となるおそれがある。

(2) 個人差による効果の現れ方の違いについて検証が不十分

⇒ 個人差等による誤差が想定されるにもかかわらず、誰でもその効果が得られると誤認させるおそれがある。

(3) イオン機能による効果であることの実証が不十分

⇒ 「イオン機能付きドライヤー」と「イオン機能なしドライヤー」の差を検証しておらず、当該効能効果がイオン機能に起因することを十分に実証する試験方法ではなかったため、誇大な表示となるおそれがある。

 上記のように判断した理由について、詳細の方に書かれていましたが、

(1)実使用と異なる条件で検証されていた(冷風で20分、など)
(2)同一人物の髪の毛だけで検証されていた
(3)「イオン機能の有無」による差が検証されていなかった

というコトだそうです。
 大手企業の研究者がこういう点に、指摘されるまで気づかなかったというのは考えづらい話で、想像ですけど、数多くの試験をやった中で差がみられたのがこれらの試験だけだった、というコトかな、と思います。

 んで、気になるのは記事の中の次の一文。

 都は7月、メーカーや小売店でつくる「全国家庭電気製品公正取引協議会」に、十分な実験結果を得たうえで効果を表示するか、表示を変えるかするよう要請。4社はいずれも取材に対し、要請に従う姿勢を示した。パナソニックは「指摘を真摯(しんし)に受け止め、消費者に誤解がないように改善したい」、シャープは「次の機種から改善する」とコメントしている。

 実験結果からいえるコトのみを宣伝に使う、というのは当たり前として、いま広まっている、過去の宣伝による世間の誤解をどう解消していくか、というところが気になっています。
 アガリクスとかでは、現時点で企業が薬事法の範囲内で適正に販売を行ったとしても、消費者が「アガリクスはガンに効くんだ」と、誤った認識で購入してしまう土壌が世間一般にひろく存在してしまっているわけで、「マイナスイオン」、「○○イオン」も、同様ですよね。

 法を犯していなければ問題ない?
 でも企業は、法の枠を超えて自主的に守るべきコンプライアンスをひろく(自ら)喧伝しています。

パナソニックの「CSRメッセージ」のページより

公明正大な活動
当社では、「公明で誠実な事業活動」を徹底するため、コンプライアンス強化策として、企業倫理プログラムを導入・展開しています。
パナソニックグループの良き伝統に基づき、経営理念をよりどころとして、法令・ルールの遵守にとどまらず、良心と良識に基づいて公正で誠実な事業活動を行います。

シャープの「適正な広告・宣伝/表示関連法遵守の取り組み」

シャープでは、「シャープグループ企業行動憲章」「シャープ行動規範」に基づき、適正な広告・ 宣伝活動ならびに景品表示法、公正競争規約等の表示に関わる法令の遵守に努めています。  全社で表示チェック体制を構築の上、全社適正表示推進会議を定期的に開催している ほ か 、社 内 規 格 や マ ニ ュ ア ル 等 に 基 づ く 社 内 基 準 ・ チ ェ ッ ク ル ー ル に 則 り 、法 令 違 反 等 の 未 然 防止を図っています。   また、表示に関わる社内担当者への継続的な研修会の実施に加えて、イントラネットに
「適正表示ホームページ」を開設し、担当者のスキルアップをサポートする内容の充実に取り 組んでいます。
今後も、継続して国内外の表示チェック体制 の一層の強化と施策の拡充を図り、お客さまを はじめとするステークホルダーへの適正な広告・ 宣伝活動ならびに表示関連法令の遵守を徹底
してまいります。

日立の「コンプライアンス」

企業倫理月間の実施

日立は、企業倫理と法令遵守がすべての事業活動の基本であると考えています。2009年度から、毎年10月を「日立グループ企業倫理月間」と定め、経営トップのリーダーシップのもと、役員、社員にコンプライアンスの視点に立って行動するよう求め、企業倫理のより一層の充実と法令遵守の徹底に取り組んでいます。

2011年度には、トップのメッセージを全グループ社員に発信するとともに、「日立グループ行動規範」の周知徹底を図るため、前述の「日立グループ行動規範ハンドブック」を日立製作所の全社員およびグループ会社に23万部配布しました。また、気軽にコンプライアンスに取り組めるようにゲーム形式のコンテンツ「日立グループ行動規範オンラインゲーム」をイントラネットに公開し、海外のグループ会社も含めてコンプライアンス意識の徹底を図りました。

東芝の「リスク・コンプライアンスの考え方」

東芝では法令、社内規程、社会規範、倫理などの遵守をグローバルに徹底し、公正・誠実な競争による事業活動を推進するとともに、生活者の視点と立場を重視したお客様の安全・安心を図っています。 その実践に向け、「東芝グループ経営理念」を具体化した「東芝グループ行動基準」の徹底がコンプライアンスの基本と認識し、すべての子会社で採択することなどにより、グループ・グローバルで浸透を図っています。

 今すでに存在している誤解にどう対処していくか、というのは、法的な縛りでないからこそ、むしろ如実に企業の姿勢があらわれるポイントかな、と思っています。今後の彼らの活動に期待、ですね。

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