NHKスペシャルでがんワクチンが取り上げられていた
一昨年のことですが、知り合いのお父様がガンで亡くなりました。
発見されたときには末期で、少しでも延命を目指して副作用の大きい治療を選択するのか、痛みの緩和を重視した治療を選択するのか、大きな葛藤があったそうです。
最終的にはご本人の希望を尊重し、ペインコントロールしながら自宅で生活を続け、最期は家族にみとられました。
「父にいい加減な民間療法を勧めてくる人たちに憎しみを抱いたことがある」
普段は穏やかなその知り合いは、語気を強めてそう言いました。
「善意なのは分かるから何も言わなかったけれど、それでも自分の気持ちを抑えられなくなりそうなことが何度かあった」と。
知り合いは、そしてお父様はそのような民間療法を選択することはなく、通常の医療を受けながら家族との充実した時間を大切に過ごされ、その選択を後悔しなかったとのことです。
しかし、生死の狭間にたたされて、誰もが冷静な判断ができるわけではありません。
ワラにもすがりたい患者さんを惑わせ、判断を狂わせるような怪しい情報に対しては、社会として批判の声を挙げていくことが重要だと思っています。
NHKスペシャルで、がんワクチンの特集が組まれていました(※1)。
ネットで「がん」「ワクチン」で検索すると、怪しいものがちらほら混じっていたりするのですが、この番組で紹介されていたものはきちんとした治験を実施している、少なくとも手続き上はきちんとしたものです(効果は現在のところまだ明らかではありません)。
手術、放射線治療、化学療法に続く第4の治療法として期待されているとのことで、有望なものについては一刻も早く治療法が確立され、多くのかた達の支えになって欲しいと願わずにはいられません。
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