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結局のところ、流派の争い以上のものにはならないようで

 日本ホメオパシー医学協会(以下JPHMA)発行のホメオパシー新聞4月13日号に、LIGAと呼ばれるホメオパシー関連団体に対して抗議した件が掲載されていました。
 
 LIGAの年次大会に関するニュースレターで、日本ホメオパシー医学会(以下JPSH)の理事である「R子」さんという方がお書きになった発表記事の内容が事実と異なる、というものでした。発表内容は「ビタミンK不投与事件」に関するものです。
 
 以下、とばしとばし引用してみます。ポイントのみ取り上げますので、全文はリンク先をご覧ください。
問題は、理事のR子さんの報告した日本におけるホメオパシー事情と日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)の活動に関する内容が事実と大きく異なっていることです。
(中略)
また、英国のホメオパシー雑誌『Health & Homeopathy 2012年/2013年冬号』でも、日本ホメオパシー医学会(JPSH)のR子さんが登場し、奈良大会の報告の中で、日本におけるホメオパシー事情とJPHMAの活動について、事実と異なる誤解を生じさせる報告が掲載されていました。
(中略)
さらにJPSHのホームページにおいては、R子さんは奈良大会の報告として、日本におけるホメオパシー事情とJPHMAについて事実と異なる報告をしているだけでなく、JPHMAの認定ホメオパスを「自称ホメオパス」と侮蔑しています。
 
 ポイントは2点で、
1)年次大会におけるR子さんの報告が事実と異なるものだった。
2)R子さんはJPHMAのホメオパスを「自称ホメオパス」と侮蔑した。
ということですね。
 
 2番目はそれぞれの団体が異なる認定基準を持っているなら、お互いに相手を「自称ホメオパス」と表現するのは当たり前のような気もします。まあ「自称○○」に侮蔑の意図を感じる、というのは分かりますが。
 JPSHが医療従事者以外がホメオパシーで「治療」を行うことに反対している団体である以上、医療従事者ではないJPHMAのホメオパスを「自称ホメオパス」と称するのは別に不自然ではないでしょうねえ。
 
 
問題となる点を以下に指摘させていただきます。
下線を引かせていただいた文章は誤った記述内容(No.1,2)であり、読む側に誤解を与えてしまうことを危惧しています。
 
No.1 *************
(以下、抜粋)
日本 R子さん(NVP)
日本のホメオパシーの現状は、患者が安心感を持ってホメオパシーの恩恵を受ける状況からは未だ程遠い。2年前、医師でなく、登録をしていないホメオパス達が、一連のホメオパシー治療行為の誤用の為、多くの死亡の原因となった事が公開された。それ以来、ホメオパシーバッシングが日本では続いている。唯一の医学有資格者で構成されている団体として、日本ホメオパシー医学会(JPSH)は、これらの出来事について危惧しており、医学療法としてのホメオパシーの適切な知識を普及する為に全力を尽くしている。2012年奈良での第67回LMHIコングレスは、東アジアで初めて開催された。私達は、日本のホメオパシーを世界に紹介し、世界のホメオパシーを日本の医師達に紹介したい。
***********************************
 
No.1の記事の誤りについてR子の「2年前、医師でなく、登録をしていないホメオパス達が、一連のホメオパシー治療行為の誤用の為、多くの死亡の原因となった事が公開された」という発表内容が掲載されています。
 
第一に、「一連のホメオパシー治療行為の誤用」とはどのようなことを指しているものなのか、不明瞭な言葉であります。LIGAはその内容をR子さんから調査し、正しく掲載していただきたいと思います。
 
第二にこの内容は間違いです。確かに2010年に『朝日新聞』を中心とした各種メディアでホメオパシーバッシングがなされた事実はあります(私たちはこのホメオパシーバッシングは権益団体および権威団体とメディアが結託して意図的・計画的に行われたと考えています)。しかしR子さんが報告したような、メディアでの「多くの死亡の原因となった事が公開された」事実はありません。実際は、このバッシング期間内に合計3件の死亡例が掲載されたのみです。それもホメオパシーと直接関係ないものばかりです。これは調査していただけたらすぐにわかることです。
 
 私はR子さんではありませんが、「誤用」については説明できそうな気がします。例えば「ビタミンK不投与事件」で言うなら、
 「助産師が乳児にK2シロップを投与せず、K2レメディなるものを投与した行為」のことですね。
 より一般的な表現に直すなら「適切な医療行為を放棄し、効果がないことが分かっているホメオパシーで代替を試みた」コトを、「誤用」と表現している訳です。
 
 JPHMAとしては、「代替を試みた」トコロを否定している(K2シロップの不投与と、K2レメディの投与は無関係な、独立した行為である)と言いたいんでしょう。
 
 でも、JPHMA代表の由井寅子さん自身が、K2レメディはシロップの代わりにはならないことをインターネットや自費出版の書籍を通じて広く宣言なさっているにも関わらず、じゃあK2レメディを何のために投与したのかは全く説明できていない、かつ過去の書籍「ホメオパシー的妊娠と出産」の中では(由井氏自身の発言ではないですが)「シロップの代わりにレメディを」といった発言が掲載されている訳で、「誤用だ」と判断されても仕方が無い(誤用にあたらないというなら、そのことをもっと積極的に説明する必要がある)状態だと思います。
 
 なお、一般的な理解で言うなら、医療行為の代わりにホメオパシーを用いる行為はおしなべて「誤用」なわけで、JPHMAおよびJPSHを含むすべてのホメオパシー団体は、どんな使い方であれば「誤用」に当たらないのかを明確にし、継続的に広報し、団体員の「誤用」に対する徹底した対策をうつべきだと思います。
 
 引用部後半に関しては別のエントリ「読書感想_毒と私」のなかで一通り言及しましたので、割愛。
 
 
 引用、多少前後しますが、
 
No.2 *************
(掲載文)
32カ国から318名の参加者がおり、93の発表があった。 日本ホメオパシー医学会は、2000年に設立し、441名の会員がいる:240名の医師、115名の獣医、3名の歯科医、19名の薬剤師。遺憾にもホメオパシーを否定するような報道がいくつかあったにもかかわらず、このような短期間で、日本ホメオパシー医学会にこれだけのメンバーがいることは、全く注目に値することである。
***********************************
 
No.2に関しての記述誤り *************
「遺憾にもホメオパシーを否定するような報道がいくつかあったにもかかわらず」という記載について、日本についてのことを報告している中で、このようなコメントをするということは、No.1記載のR子さんの発表内容を聞いた結果として書かれたものであることは明らかであります。繰り返しますが、上述した通り、R子さんの発表内容は真実ではありません。R子さんが発表したことを鵜呑みにし、日本のホメオパシーについて憂慮されたLIGAメンバーが他にもいらっしゃるかと思うと、非常に残念でなりません。
 
 前半部で「確かに2010年に『朝日新聞』を中心とした各種メディアでホメオパシーバッシングがなされた事実はあります」って認めているのですから、「遺憾にもホメオパシーを否定するような報道がいくつかあった」ってのと、なんら見解の違いは無いように見えます。なんか、対立点を無理矢理作っているような(^-^;
 
 新聞はまだまだ続いていますが、割愛します。
 
 今回、JPHMAがJPSHに対してクレームを付ける形になっていますが、引用されたJPSHの各文章を見てみると、「ビタミンK不投与事件」が起こったときに当該団体が示した見解から、大きく外れた内容は特に見当たりません。
 今回の新聞記事は、前々からあった対立点が、一方の見解に立って広く情報発信されてしまったことへの対抗みたいな意味合いなのでしょう。
 「ホメオパシーを否定するような報道」「ホメオパシーバッシング」が不当だ、という認識では一致していても、互いに連帯しようという動きにはなかなかなっていないようですね(JPHMA以外の団体は、むしろトカゲのシッポ切りをしたいところでしょうけど(^-^;
 
 以下は過去に書いたことの焼き直しですが。
 
 各団体がホメオパシー及びホメオパスの質を統一した基準で保証し、逸脱に対して対応できないのであれば、あるいは少なくとも、他の団体に対する自らの優位性を、第三者の検証に耐える形で明確に示すコトができないのであれば、ホメオパシーが今以上の評価を得ることは無いでしょうし、評価するべきではありません。
 それは結局、プラセボを超える効果を否定されることに対して覚悟を持てるのか、ということで、まあ、ムリなんでしょうねえ。

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